〝オヤカク〟で変わった、就職先への母の視線 「大手の方がいい」→中小でも「いい会社だね」
企業側が内定者の親に内定承諾を確認する「オヤカク」が広がっています。都内の中小企業を就職先に選んだ関西出身の女性は、「親に安心してもらいたい」と内定先企業に親へのオフィス案内を依頼したそうです。すると、親の心情に変化が…。「オヤカク」を経験した女性に話を聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり) 【マンガ】27歳、キャリア観の転機は震災後の安置所
「いつか家業を継ぐ」決めて臨んだ就活
都内の中小企業で働き始めて4年目の女性は、大学時代の就活でファーストキャリアに今の会社を選びました。 しかし女性の実家は関西地方で家業を営んでおり、女性は高校時代から「いつかは実家を継ぐ」という思いを持ち続けています。 そのため、「家業を継ぐスキルを磨くために就職したい」という、女性が大切にしたいキャリア観に理解を示してくれる企業かどうかを重視して就職活動をしていました。 家族も女性の思いは理解していたそうで、「まずは大学を出て一般企業での経験を積んで、家業を継ぐ」というキャリア形成には暗黙の了解があったといいます。
大手と中小の2社に内定、決め手は
都内の大学で学んでいた女性。就活では、興味を持っていた広告と人材の二つの業界、計6社にエントリーしました。 内定が出たのは、大手企業と、現在の就職先である中小企業でした。 女性は「どちらの最終面接でも、『将来どうなりたいか』という質問がありました」と振り返ります。 それまでの選考過程でも、将来の希望は伝え続けていましたが、ここでも改めて後に家業を継ぐつもりであることを伝えました。 すると、大手企業の面接官からは「え?辞めるの?」と難色を示されたそう。一方で、中小企業の面接官は「すごくいい夢ですね」と肯定してくれたといいます。 さらに「辞めたくなくなるくらい、たくさんのことを学べる環境を提供できると思う」と付け加えてくれたそうです。 その姿勢の差に驚き、大手に就職したら「歯車としての働き方で終わってしまいそう」と感じた女性。 中小企業の方は「社員一人一人を大切にしてくれそうな会社だな」だと感じ、就職を固く決意したといいます。