消費者の50%がAI生成の広告を敬遠
回答者は約55%の確率でAI生成コンテンツを識別
ネクセスドットネットは、人間の画像を除外した上で、行動喚起(CTA)、電子メールのコピー、化粧品バッグ、ソーシャルメディア用の投稿画像とテキストをセットで提示したところ、回答者は約55%の確率でAI生成されたものを識別できたという。また、若年層は高齢層よりもAI生成コンテンツを見分けるのが得意であることも判明した。 広告コピーですら、ぎこちない表現や冷たく機械的な言葉遣いにより、半数以上の確率でAI製であることが見破られていた。ネクセスは「コンテンツ作成において、直接的で無駄のないコピーには価値があるが、AIツールはそれを少しやり過ぎているようだ」と指摘している。 消費者がAIの作ったテキストを見抜く能力は「電子商取引ビジネスの成功に影響を及ぼしつつある可能性がある」とネクセスは述べている。一方で、「人間的な要素をもつコピーは、興味を持った見込み客を購入者へと変えるために必要なプラスアルファの感情と説得力を生む」としている。 AIは消費者にとって、電子商取引における「決断疲れ」の原因にもなっている。米テキサス州に拠点を置くコンサルタント会社ソフトウェア・アドバイス(Software Advice)が5500人以上の世界の消費者を対象に行った調査によれば、消費者は「膨大な量の検索結果、効果的でないフィルター、信頼性の低いレビューに圧倒され、本当に欲しいものを見つけるのが難しくなっている」と感じている。 ネット通販大手のアマゾンでは、製品レビューを読むのに時間がかかる問題に対処するため、AIで全レビューを要約し1段落にまとめる試みを行っている。これは一部の人にとっては役立つかもしれないが、以下に示すドレスシャツに関するレビューのように、機械的な説明に感じられるものもある。 「購入者はこのシャツの外観と価値を気に入っています。美しい、夏用の良いシャツで、もう一度見る価値があると述べています。しかし、防しわ性とボタンの耐久性に失望した人もいます。フィット感、品質、快適さ、生地の品質については意見が分かれています」