非課税枠178万円に引き上げなら、長野県全体で569億円減収 知事「全体的な議論を」
長野県の阿部守一知事は22日の定例記者会見で、年収103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」の見直しの議論について、「国において全体的な議論をしっかり行ってもらいたい」と述べた。 【表でみる】控除額を178万円に引き上げた場合の年収別減税額 国民民主党が掲げる、基礎控除と給与所得控除を合わせた非課税枠を現行の103万円から178万円への引き上げが実現した場合、国は地方自治体に入る個人住民税が4兆円程度減収になると試算。これを元に長野県分を計算すると、個人県民税は約251億円減収、個人市町村民税は約318億円減収、合計約569億円の減収と見込まれるという。 阿部知事は「社会保障や税制全体、人口減少の中で社会が大きく変化していく状況において、この問題は国においてしっかり議論するべきもの。一方で、壁はなくなったけれど、地方財政が逼迫(ひっぱく)して、若者支援や生活困窮者支援に充当する予算が足りなくなってしまうようなことがあってはならない」と述べ、税制や社会保障を含めた全体的な議論が国で行われることを期待した。