THEカラオケ★バトル7冠の城南海 人生を変えた奄美民謡
THEカラオケ★バトル7冠の城南海 人生を変えた奄美民謡 THEPAGE大阪
「あの番組に出る前は1日に2回カラオケに行ったりします。毎回いろんな曲にチャレンジするので歌の幅が広がりました」と話すのはテレビ東京系の「THEカラオケ★バトル」に出演し、7冠を達成した歌手、城南海(きずき みなみ・25)。これらの番組に出演したことがきっかけで、リクエストを受けカバーアルバムを発売するなど話題を呼んでいるが、こうして歌うきっかけは、故郷の鹿児島県で「奄美民謡」を兄が歌っていたことだったという。そんな彼女の横顔に迫ってみた。
音楽大好き。楽しみは父が買ってくれたCD
鹿児島県奄美市出身。小さいころから音楽が好きで、2歳からピアノを始めていた。当時、父親がCDショップの副店長をやっており、いろんなCDを買ってきてくれたことも、音楽とふれあう中で大きな影響を受けた。 「父に初めて買ってもらったCDはSPEEDさんの『White Love』でした。それから、安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんも聴きました。奄美では遊ぶとしたら海とかカラオケとかで。友達とカラオケに行った時には、そういう曲をみんなで歌った思いでもありますね」 カラオケでは、SPEEDを歌う時は「私がボーカル」「私が踊る」とパートを分けてカラオケボックスで代熱唱していた。覚えたい曲があると、父親にお願いしてCDを買ってもらう。生活に自然と音楽はつきものだったという。 そして、高校は「音大進学」を目指し、県内の音楽科のある高校へ進学。音楽理論やクラシックなどを学んでいた。
人生を変えた「奄美民謡」きっかけはお兄ちゃん
だが、この時、ある人生の「転機」が訪れた。鹿児島市内の高校に通い始めた時、兄が「奄美民謡」を歌う活動を手伝い、その活動を見て「私も民謡を歌いたい」という思いが強まっていったという。 「兄は11歳上で、よくくっついてお手伝いしてました。隣で聴いていて民謡の良さを感じて。鹿児島県内でも奄美の民謡を知らない人が意外と多いんで、一人でも多くの人に知ってもらえたらという思いから、兄と一緒にがんばってました」。歌ううちに、奄美民謡独特のこぶし「グイン」も身についていった。 兄の横で三味線やお囃子を手伝った。音楽をやっていなかった兄のために、参考にしたCDの音を楽譜になおしたりもした。これは音楽科に通っていたのでお手のものだった。そんな活動を続けていると、2人でラジオ出演を果たしたり、奄美料理店で歌うこともあった。 そして、高校2年生のはじめに、鹿児島市内で民謡の路上ライブをしていたところを、音楽関係者にスカウトされた。通常、オーディションはJPOPを歌うのが普通だが、そこは奄美民謡で受けて見事に通過。レッスンを受け、2009年にデビューシングル「アイツムギ」をリリースした。 この曲は大阪のMBS毎日放送の人気情報番組「ちちんぷいぷい」で紹介され、テレビやラジオでも紹介され話題となった。「大阪の人気番組で紹介してもらったんで、多くの人に知ってもらいました。今、父が奄美でガイドをやってて、関西からの観光客の方々を案内してる時、携帯電話がなって。その時の着信音が『アイツムギ』だったんです。そしたら『ぷいぷいのあの子の歌や』という話になり、父は『娘なんですよ』って言ったこともあったようです」とうれしそうに振り返る。