THEカラオケ★バトル7冠の城南海 人生を変えた奄美民謡
舞台裏はピリピリ「THEカラオケ★バトル」
その後も様々な音楽活動を続けていたが、昨年、新たな転機も訪れた。それが「THEカラオケ★バトル」の出演だ。歌のプロ、アマチュアなどが出演して歌い、精密採点のカラオケマシンの得点で優勝者を決める同番組の「歌の異種格闘技戦」に奄美民謡代表として出演。あらゆる分野の精鋭シンガーらが集まる中、いきなり優勝を果たした。 さらには、その後の放送でも優勝し「7冠」を獲得し、全国のお茶の間でも広く知れわたることになった。「この番組は、以前同じ局の「歌の楽園」という番組に出させて頂いて。その後、徳光和夫さんと歌番組(徳光和夫の名曲にっぽん 昭和歌謡人)の司会をやらせて頂いたご縁もあって、スタッフさんから出演の声をかけて頂きました」 さすがに「バトル」と名がつくだけあり、本番中の舞台裏は口では言い表せないほど「ピリピリ」した雰囲気に包まれているという。「私は出場する時は、本当に自分を追い込んで『いくぞー』って奮い立たせるタイプなんで。相手の方が高得点なら、私はそれを超える得点を取ると宣言したりしました。『バトル』ですから」と笑顔で語るがプレッシャーもある。 そして、出演の前には朝と夜1日に2回カラオケボックスに通って、練習するという。そのため、もうそのカラオケボックスの店員は、顔を見ると指定の部屋を「ここですね」とスムーズにやりとりできるほど通っている。そんな努力が実り、7冠へとつながった。 「すごくやりがいのある番組ですし。なんといっても『巨匠』堺正章さんにいつも『頑張ってね』と声をかけていただいて。別の番組でご一緒した時も思ったんですが、すごく安心できるんです。堺さんの『さらば恋人』もカバーして、私はずっとすごい司会者と思っていたので、歌を知ってさらにすごく感じました」
歌うことで故郷の「奄美民謡」広めたい
また、この出演で、歌うたびに独特の民謡のこぶし「グイン」が注目を浴び、詳しく紹介される結果にもなった。「元々は兄と奄美民謡を広めるために歌っていたので、こうした形で多くの方に知っていただくのは本当にうれしいですね」とも語る。 同時に、番組で歌った様子が反響を呼び「番組で歌ったカバー曲をCDにして」という希望がたくさん寄せられ、今年1月にはカバーアルバムを発売。今月17日には早くも2作目のカバーアルバム「ミナミカゼ」を発売した。 曲目を見ると「ハナミズキ」「流星群」「風になりたい」といった自身が聴いていた曲から「少年時代」「青春の影」といった懐かしい名曲も収録した。「THE BOOMさんにはいつもお世話になっていて、一青窈さんにも曲を提供頂きました。幅広い年代の方に楽しんでいただきたいので、いろんな曲にチャレンジしました」 カバーアルバムを作る際も、スタッフと一緒にカラオケボックスに行き、話し合いながら収録曲を決める。今回も6割くらいは自分の意見が通したとも語り、充実感を持ってレコーディングに臨めたという。「これからも、様々な曲を歌ってみたい」と語り、同時に「奄美大島もたくさん知ってほしいから頑張ります」と笑顔を見せる城。インタビュー終了後は「ありがっさまりょーた(ありがとうござました)」と元気に奄美の言葉を使い周囲を一気に明るくさせる。「奄美大島観光大使もやってますから」と笑顔を残し、次の現場へ向かっていった。