8年ぶりのW杯予選に挑む“全く文脈の違う代表チーム”フットサル日本代表「Fリーグや下部組織の組織力を証明したい」
「Fリーグや下部組織の組織力を証明したい」
2016年にフットサルW杯の出場を逃し、フットサルへの注目や関心が落ち着いたなかでも、日本のフットサルはこのように基盤をしっかりと固めてきた。 4月6日にFリーグ・ディビジョン2のリガーレヴィア葛飾との練習試合(8-0)を終えた後、木暮賢一郎監督はこのように語り、日本フットサル界の全体としての成長に自信を見せた。 「W杯予選を兼ねたアジアカップになると、対戦国は明らかに通常のアジアカップ時よりもお金や時間をかけて準備をしてきます。それに対して我々はW杯予選を兼ねたアジアカップに向けて全力を注ぐスタイルではなく、育成やリーグを含め、常に良い準備をしているという点で全く文脈の違う代表チームだと思っています。自分は間違いなく、日本の取り組みが正しいと信じていますし、W杯予選の時だけガーっと力を入れるところには負けたくない。日本のフットサル全体として、Fリーグや下部組織の組織力を証明したい」 2011年に世界制覇を成し遂げたなでしこジャパンが、一世を風靡したように、今回のアジアカップ、そしてその先にあるフットサルW杯で結果を出すことができれば、フットサルも再び注目を集めることができるかもしれない。 W杯本大会前の9月6日と8日には改修後初となる国立代々木競技場第一体育館での国際親善試合が予定されている。この試合をフットサルW杯に向けた準備の試合にするためにも、まずは来るアジアカップでベスト4進出を決めることが最初の使命となる。 なお大会の開幕を3日後に控えた4月14日には、チームのキャプテンであるオリヴェイラ・アルトゥールとエースである清水和也の2選手が負傷により離脱することが発表された。チームにとっては極めて大きなマイナスであり、木暮監督はフィクソのアルトゥールの代役に仁部屋和弘、清水の代役に安藤良平と2人と異なるポジションの選手を追加招聘した。W杯予選を兼ねた、本当に重要な大会前に主力が離脱したことはネガティブなニュースであり、2016年大会前にも当時の中心選手だった皆本晃が離脱していたことが脳裏に蘇る。それでも戦いは待ってくれない。日本フットサルの底力が試される状況で、新たにチームを引っ張っていってくれるスターが誕生することに期待したい。 <了>
文=河合拓