【新潟】鈴木孝司はルヴァンカップ準々決勝へヒントを得た。町田とのスコアレスドローで得た収穫とは?
上位争いを続けるFC町田ゼルビアを相手に、アルビレックス新潟は第28節、ホームのデンカビッグスワンスタジアムでシーズンダブルを狙った。しかし試合は、今シーズン初のスコアレスドローで終了。ただ、経験豊富なFW鈴木孝司は、ルヴァンカップで再び連戦を戦う古巣をいかに攻略するか、そのためのヒントをつかんでいた。 【動画】J1第28節◎新潟対町田ハイライト
『古巣』相手にどんな戦いを見せるか?
さまざまな駆け引きと技術を駆使してチャンスメークに関わり、自ら決めに行く。第28節・町田戦で古巣相手に先発フル出場した35歳の鈴木孝司は、“サッカー賢者”ぶりを存分に発揮し、ゴールを目指し続けた。だが、結果は今季初めてのスコアレスドロー。J1に初昇格したシーズンに優勝争いしている町田の力を実感する90分にもなった。 「ボールの回し方、仕掛けなど、もう少し相手ゴールに向かってプレーしても良かったかな、と思います。町田はセンターバックとボランチの4人でどう守るかというところが非常に明確で、規律を持ってプレーしていましたね」 町田の失点20はリーグ最少(28節時点)。堅い守りをこじ開けるには至らなかった。だが、その方法が徐々にはっきりしていったのも事実だ。 彼らが、どのようにプレッシャーを掛けてくるのか。それを感じ取り、『こうすれば、もっとボールが回りそう』という部分は、試合が始まって早い段階で見えたという。それをチームメートと共有するために、盛んにコミュニケーションを取る。いつもの姿が、この日のホーム、ビッグスワンのピッチにもあった。前半の飲水タイムには、松橋力蔵監督からマンツーマンで意見を交換。ボールをどこで受けるのが効果的か、あるいはスペースのでき方について改めて状況が整理され、自身の動きの調整、修正がなされた。 「チームの決定機はそれほど多くなく、もう少しゴール前に人数を掛けたかったと試合が終わって感じました。守備に関しては全員でよくやれましたが、相手のセンターバックにダメージを与えるために、守備に加えて攻撃でも強度を出していきたかった。点を取れないと試合には勝てないですからね」 見えたポイントの改善に日々のトレーニングで取り組み、どれだけ成長できるか。それは、すぐに問うことができる。ルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝で、再び町田との2連戦が控えているからだ。 アウェーで今季最初の対戦は3-1で勝利。シーズンダブルを狙った28節は引き分けに終わった。守備やビルドアップへの関わりでも抜群の貢献を見せるFWは、次こそゴールと勝利をたぐり寄せようと闘志を燃やしている。 「ルヴァンカップの前に、リーグの名古屋戦がすぐあります(※編集部注・台風10号の影響により8月31日から9月18日の開催にの日程が変更された)。まずはしっかりそこで戦わなければならないし、その先のことは、今は見ていません。ただ今回、町田と対戦して、相手が新潟を相当リスペクトしてくれているのを感じました。それだけ僕たちのサッカーにやりづらさを感じている感触があります。今回出た課題をしっかり改善できれば、自ずとゴールも生まれるはずです」 反省材料とすること以上に、攻め崩すためのより良いアイディアが湧いてきて、再戦が楽しみで仕方ないという表情を浮かべていた。 取材・文◎大中祐二
サッカーマガジンWeb編集部