9日長崎の平和祈念式典 「大使欠席」なぜ? G7の6か国が手紙で懸念も…
日テレNEWS NNN
8月9日、長崎は79回目の“原爆の日”を迎えます。その平和祈念式典に、原爆を落とした国であるアメリカや、イギリスの駐日大使が欠席する意向を示しています。なぜなのでしょうか?
■長崎の平和式典 イスラエルを招待せず
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「背景にあるのは『イスラエル』なんです。イスラエルはいまも、パレスチナ自治区のガザ地区で戦闘を続けています」 「長崎市は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの招待を、3年連続で見送っているんですが、ことし、イスラエルについても招待しないことを決めました」 「その理由について、長崎市の鈴木市長は『決して政治的判断ではなく、犠牲者を慰霊する式典を、平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで開催したいからだ』と話しています」
■「このような事態は残念」長崎市長宛てに…大使から手紙も
小栗解説委員長 「ただ、その市長宛てに実は、先月19日の時点で、日本を除くG7の6か国はこのように大使の直筆のサインを添えて、連名で手紙を送っていたんです。手紙では『毎年行われる式典の重要性』などを『理解している』とした上で、『イスラエルを招待しないと、ロシアやベラルーシなどとイスラエルを同列に置くことになる。このような事態は残念で誤解を招くものだ』などと書かれていました」 「実際に7日までに、アメリカやイギリスなど6か国の大使は欠席する意向を示していて、いずれも代理の外交官を政府代表として派遣するとしています」 「ある日本の政府関係者は、『原爆犠牲者の慰霊と、今の戦争とは、分けて考えるべきだと、内々、長崎市長の説得を試みたけれども、がんとして受け入れなかった。市長がなぜこだわるのかわからない』と話していました」 藤井キャスター 「平和を守って、平和を考えたい場所ですが、結果的に参加する大使が減ってしまったということなんですね」
■広島市は… 被爆者は…
小栗解説委員長 「一方、6日に式典を行った広島市は、イスラエルを招待したうえで、松井市長は大使が見守る中、イスラエル・パレスチナ情勢について触れて、核抑止力に依存する為政者に政策の転換を促すために、市民が行動するよう呼びかけました」 藤井キャスター 「こちらは、式典に参加してもらうことで直接、戦争や核兵器の恐ろしさを伝えよう、という意図もあったのかもしれませんね」