「時代背景や経済環境の変化に応じてない」…年金カット「50万円の壁」見直しへ 高齢者の“働き損”解消か 年金財源確保で現役世代の負担増も
現役世代の負担増で議論「今を犠牲にするのは嫌」
一方、年金の財源確保に向けては、収入の多い現役世代の保険料負担を増やす議論も進められている。 厚生年金の加入者が支払う保険料は、ひと月の収入額を32段階の等級に区分した「標準報酬月額」をもとに算定しており、現在の上限は月額65万円だ。 この額を超えれば、いくら稼いでいても保険料は上がらない仕組みだ。 ところが、この上限を65万円から「75万円」や「98万円」などに引き上げる案が検討されているのだ。 上限を75万円に引き上げた場合、現役世代の約168万人が対象になり、保険料の負担が毎月約9000円増加する。 納める保険料が増えれば、本人が将来受け取れる年金支給額も増えるとされているが、現役世代からは厳しい声が上がった。 医師(36): 先のこと過ぎて実感が沸かない。言われても頑張れない。 経理(35): 今を犠牲にしてってことですよね。今を犠牲にするのは嫌ですね…。 一方、高齢者からは、次のような声が上がった。 年金月15万円・70代: たくさん収入があるんだったら、負担してもらいたい。 年金月14万円・60代: 社会保障が充実するには、それなりに負担が生じるのは当然。 老後の生活を支える「年金制度の見直し議論」。 厚生労働省は与党などとの協議を経て、2025年の通常国会に必要な法案を提出したいとしている。 (「イット!」11月26日放送より)
イット!
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