春、ミモザを“ドライフラワー”に衣替え。高橋久美子さん「家の中が華やかに」
春は花が楽しい季節で、贈ったり、自分で買ったりとさまざまな楽しみ方があります。作家・作詞家として活躍する高橋久美子さんは、家の庭で多くの植物を育てており、自宅でも飾って楽しんでいると言います。そんな高橋さん流のミモザのドライフラワーのつくり方を紹介します。 【写真】庭にある満開のミモザ
花をドライフラワーにして楽しむ
4月、お引越しの季節ですね。 私が愛媛で主宰する農業チームでも、県外へ転勤になった子がいて、送別会をして見送った。春は出会いの前にさよならがあるから少し寂しい。また新しい場所ですてきな出会いがたくさんあるといいね。思い出を重ねて、今があるのだなと思う。 私は送別会とか、なにかの記念でいただいた花を、しばらく飾ったあと、ドライフラワーにする。風水的にドライフラワーってあまりよくないとも聞くので、1年過ぎると取り替えるようにしているけれど、思い入れのある花束は、一本でも二本でも、置いておきたい。 ドライフラワーにも向き不向きがある。茎が柔らかくて水分量の多い花は向いていないので、枝類とか、茎の細くて水分が少なそうな花を選ぶといいと思う。 3月は、庭のミモザの花が満開で、近所の人や友人にもかなりあげた。斜め向かいの家の人にあげにいったら、「きれいだなーって、いつも窓から見てるんですよ」とおっしゃる。そうか、こちらからは毎日ミモザが見えるんだな、いいなあ。花って太陽に向かって咲くので、家の人は外に出ない限りは鑑賞できないのだ。 そういうわけで、私はミモザを切って、家中に飾った。生花でも楽しむし、逆さまに吊るしていくつもドライフラワーをつくった。同時に、昨年のドライフラワーは捨てる。毎年、衣替えのように、新しい花に交換している。
ドライフラワーの簡単なつくり方
ミモザのドライフラワーのつくり方のポイントは、花が咲ききってから逆さまに吊るすということ。蕾のままだと、ドライにしてもボロボロ落ちてしまうし、蕾の状態で花瓶にさしても、その後咲くことがない。なので、生花として飾るとしても咲き切っているものを買いましょう。 逆さまに吊るす方法は、枝が開かずに真っ直ぐな状態で維持できるのがいい。ただ、オレンジっぽく色あせてしまうこともあるんです。色をかわいい黄色のまま維持するには、花瓶に水を3センチくらい入れて、水がなくなるまで10日ほど浸しておくのも手だ。あまり大きいと重力で枝が外に開いてしまうという難点はあるけれど、生花としても楽しみ、そのままドライにできるので、私はこの方法がおすすめ。 ただ、これはミモザだからできることで、ほかの花は元気なうちにドライにしなくてはいけないのでご注意。ミモザは木なので、水に生けておいても花のように茎が腐ったり、花びらが落ちることなく、本当に静かに静かに、ドライフラワーになっていく。 ドライになると色があせていく花も多いけれど、ミモザは美しい色を維持してくれる。疲れて帰ったときに、花があると少し元気になる。生花がいいけど、これからの季節、毎日の手入れを考えると、ドライでも十分。 リースにしたいという方も多いと思いますが、ドライになってからリースにすると枝が固くなって折れてしまう上に、花がボロボロこぼれてしまうので、生花のときにリースにして、ゆっくりと乾燥させていこう。
花は家の中の太陽
花だけでなく、ユーカリやローズマリーなどの緑の枝を混ぜて、スワッグとして壁にかけるのもすてきよね。花よりも木のほうが、乾燥しやすく長持ちしますから、ぜひ、花屋さんで尋ねてみてください。 もしくは、街路樹の剪定をしている業者さんに尋ねて、少しもらってくることもある。どうせ捨てられるのだからね。外を歩くときはチェックよ。 家の庭は4月はサンカクバアカシアミモザが満開だ。これからヤナギバアカシアも咲くだろう。枝から切り離すのは少々かわいそうな気もするけれど、花瓶に生けると花は家の太陽。ドライになっても、しばらくいい匂いで部屋を満たしてくれますよ。ぜひ試してみてくださいね!
高橋久美子