<速報>阪神の陽川が金本マジックでプロ初アーチが逆転決勝2ランに!
阪神の陽川尚将(24)が29日、甲子園球場で行われた対横浜DeNA戦に「6番・サード」でスタメン出場、0-1で迎えた5回無死一塁の場面でバックスクリーンにプロ1号となる逆転の2ランを放った。 阪神は4回まで、横浜DeNA、先発のドラフト1位、今永昇太(22)の前に毎回の9奪三振を奪われノーヒットに抑えられていた。5回は、この日5番に入っていた鳥谷敬(34)が四球を選び、続く陽川は打席に入る前に金本監督に呼ばれ「今日の今永のストレートを引っ張るのは難しい。センター返しを心がけていけ!」とのアドバイスをもらったという。陽川の意識がセンター方向へ向かっていたため、チェンジアップにも泳ぐことなくフルスイング。打球はグングン伸びてバックスクリーンの左に飛び込んだ。 チーム初ヒットが貴重な逆転2ランに変わったのだ。 「意識としては、次につなぐことだけを考えていました。監督のアドバイスがいい結果につながったと思います」。広報を通じた談話から、陽川の興奮が伝わってきた。 この日は、「7番・捕手」で育成から支配下登録されたばかりの原口文仁(24)、「8番・二塁」で 北條史也(21)を思い切って初スタメンに起用。まさにヤングタイガースの布陣で、ほとんど手のつけられないほど好ピッチングを続けていた今永をマウンドから引きずり降ろした。 「失敗してもいい。恐れるな!」。金本監督のイズムと、ワンポイントアドバイスのマジックが若虎をハツラツとプレーさせている。「超変革」は、確実にチームの勢いに変わりつつある。金本監督も試合後、「指示を出したが、その通りに打ってくれて僕自身も嬉しいホームランだった」と笑った。 阪神は1点のリードを先発の岩貞祐太(24)が、6回4安打8奪三振1失点、7回を左腕の高橋聡文(32)、8回をラファエル・ドリス(28)、9回をマルコス・マテオ(32)とつないで守りきった。 結果的にプロ1号が逆転の決勝2ランとなった陽川は、2勝目をマークした同期の岩貞と共にプロ初のお立ち台に上がり、満員のファンの声援に応えた。 「最高でーす。すごくうれしいです」 ーープロ15打席目のホームランです。 「すごく興奮しました」 ーーどういう気持ちで? 「岩貞が粘っていたので、なんとかチャンスを広げようと思った。それが、ああいう結果になって助かった。すごく気持ちがよかったです」 ーーベンチに帰って金本監督から何かを言われたか? 「覚えていないです」 ーー今は、どんな気持ちでプレーを? 「試合に出させていただいている。少ないチャンスだが、1打席、1打席、結果にこだわってやっています」 ーーこの本塁打が自信になったのでは? 「過信せずに明日から切り替えてやっていきたい」 ーー言い足りないことは? 「ないです」 そう言って、白い歯をのぞかせた。 「運よく勝たしてもらいました」と言う金本監督は、「前にも言ったが、2軍で掛布監督、スタッフが、きちんと指導して(1軍へ)送り出してくれている。だから、自信を持って送り出すことができている。1、2軍、合わせての勝利だと思う。明日もいいピッチャーが来るので、ストレートに負けないように打ち勝ちたい」と、2軍への配慮を忘れずに、気持ちを引き締めていた。