純金融資産額「5000万円以上」の人は日本にどれくらいいる?「富裕層世帯」の特徴とは?
自分の預金通帳を見ていると、ほかの家庭では資産がどれくらいあるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。わが国でも、純金融資産額が5000万円以上ある世帯は一定数います。 そこで今回は、5000万円以上の純金融資産額を保有している世帯数や割合、保有資産の規模などをご紹介します。さらに、富裕層と呼ばれる方々の特徴についてもまとめました。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
純金融資産額とは
まずは、今回ご紹介する「純金融資産額」について簡単に説明します。 純金融資産額とは、その世帯が持つ金融資産の総額から借り入れなどの金融負債残高を引いたものです。金融資産とは具体的に、以下のものを指します。 ●預貯金 ●株式 ●債券 ●投資信託 ●一時払い生命保険 ●年金保険 例えば、預貯金が1億円で借り入れが2000万円ある場合の純金融資産額は、8000万円です。
純金融資産額別の世帯数
次に、2021年度の国内における純金融資産額別の世帯数を見てみましょう。株式会社野村総合研究所が発表した調査結果・推計結果を基に、純金融資産額別の世帯数などを表1にまとめました。 表1
※株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は 149 万世帯、その純金融資産総額は 364 兆円と推計」を基に筆者作成 表1のように、5000万円以上の純金融資産保有額を持つ世帯数は473万9000世帯に上ります。 厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2022(令和4)年6月2日現在における世帯総数は5431万世帯とのことです。上記から、純金融資産額を5000万円以上持つ世帯は、全体の約8.7%を占めていることが分かります。
富裕層保有資産の国全体の資産の割合
では実際に、富裕層保有資産が国全体の正味資産(国富)に占める割合を見てみましょう。 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部が調査した「2022年度(令和4年度)国民経済計算年次推計」によると、日本経済全体の正味資産である国富は3999兆1000億円とのことです。 超富裕層・富裕層・準富裕層における純金融資産額は合計622兆円であるため、国全体の資産(正味資産)の約16%となります。