キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない」と皇太子妃の伝記作家 「家族第一の謎めいた人」
21世紀のイギリス王室はどうなっていくのか?
──21世紀の王室はどうなって行きますか。 ケイトは賢い女性だ。自分の考えを持っている。王族は絶大な特権を持って生まれてきた。彼らはキャリアの選択について心配する必要はない。生活のために何をするのか、住宅ローンを払うために何をするのか、ケイトは他の王族と違って普通の生活を理解している。 これから王位の世襲に疑問を抱く新しい世代に移って行く。新労働党政権の下で世襲貴族は貴族院(上院)から追放されようとしている。そのピラミッドの次の段階が君主制だ。英連邦王国のオーストラリア、カナダ、ニュージーランドでは今後20年の間に疑問視されることになる。 故ダイアナ元皇太子妃が2人の王子をどんなに立派に育てたとしても結局のところ、彼らはメディアを意識し、非常に特権的な人々だ。ウィリアム皇太子は、コーンウォール公領から毎年2500万ポンド(約46億5700万円)を手にしている。 彼はあなたや私と同じように苦労したり、考えたりすることはない。チャールズ国王は過渡的な君主になるだろう。在位15年なら90歳近くなる。もし国王がそんなに長く在位するのであれば、次の世代はどうなるのだろうと考える人がたくさんいるだろう。 ウィリアム皇太子はあれをやろう、これをやろうとするのを私たちは見てきた。ケイトは早期教育の問題に取り組んでいる。次の王妃になるまで、おそらくその先も彼女の主な課題になる。5歳以下の幼い子どもやホームレスの生活を改善しようとする人を批判することはできない。 本当に若い世代、つまり40代以下、30代以下、20代の人たちを対象にしなければならない。その世代には王室とのつながりの欠如という問題がある。チャールズ国王は故エリザベス女王の時代よりも小さな王室のビジョンを持っている。 新しい君主制とは何なのか。北欧の王室風になるのか、違うスタイルになるのか、オランダのようになるのか、分からないが、同じ方向性ではないようだ。ウィリアム皇太子とケイトが英連邦ツアーを行った時、植民地の支配者として見られていると感じた。 彼らは自分たちの立ち位置を確認しなければならない。一般家庭出身のケイトはウィリアム皇太子に助言する重要な役割を果たすと思う。より批判的な方法で助言する人たちを加える必要がある。王族の周りには常にイエスと言う人がいるが、それが常に正しい答えとは限らない。 ──9日に公開したビデオメッセージをどう見ましたか。 彼らはメディアとの関係を完全にコントロールしたい。それは彼女の健康状態に基づいて今後も続くだろう。彼らはそこに独立したジャーナリストを置くことはできないと言うだろう。契約カメラマンを同席させ、何が起こったかを伝える。2人はそれが良いという意向だ。 ──英国の大衆紙(タブロイド)が大人しくしているのはどうしてですか。 彼らはたぶん知らないし、望む情報を持っていないのだろう。報道するのであれば正しい情報を得なければならない。ブラックアウトの状態(2人からの直接の情報発信以外は報道がない)はタブロイドが本当に知らないということを意味している。 編集者全員が同意して署名した自主規制のカテゴリーがある。医療と健康もその一つだ。 ダイアナ元妃は全く違う時代だった。元妃はあまりにも若く、露出しすぎた。王室は彼女をサポートするためにほとんど何もしなかった。25年以上前のことで、かなり違う風景だった。独立報道基準機構(旧報道苦情処理委員会)のあり方と変化、編集者の自主規制は妥当だと思う。 しかし商業的なビジネスという観点からは注意しなければならない。25年前、30年前、タブロイドは西部開拓時代のような雰囲気で、やりたい放題だった。規制があるのは当然だと思う。ただ一つ言えるのは、記者がネタをもっていれば最終的には新聞に載るということだ。 ケイトの言うことにタブロイドも耳を傾けることを強く意識した。彼女は家族を最優先させたがっていた。彼女はとても幸せな子ども時代を過ごしたからだ。両親は働いていたけど、良い経験をした。 ジョージ王子はまだ小さな少年だ。ジョージ王子にしっかり接し、彼に期待されていることを理解させなければならない。ケイトは接着剤だと思う。彼女はとても重要だ。 ケイトが注目されることに国王が嫉妬しているという見方はナンセンスだ。国王は彼女が魅力的な女性であることを十分に理解している。(つづく)