どうしたらいい…慌てた女性客、コンビニで電話 母と来店した小5娘「家族以外の人と電話している」…教えられた母、女性がATMのボタンを押す寸前に詐欺阻止 さらに女性を車に乗せ、警察署へ行き被害を食い止める
特殊詐欺を未然に防止したとして、埼玉県警東入間署は25日、ふじみ野市立鶴ケ丘小学校5年の西田芽以さん(11)と母親の明日香さん(38)に感謝状を贈呈した。2人はコンビニエンスストアで電話をしながらATMを操作する高齢女性に積極的に声をかけ、親子の連携プレーで特殊詐欺を未然に防いだ。 後悔してもいい…焦る夫婦が電話中、教諭が声掛け「電話代わってください」 夫婦拒否も電話代わり詐欺阻止
今月3日午前9時半ごろ、学級閉鎖中だった芽以さんと母親の明日香さんは、同市内のコンビニを訪問。入店すると芽以さんが、電話をしながらATMを操作している高齢女性を発見した。不審に思い母親の明日香さんに「ATMで電話してるよ」と話し、女性に近づいて電話の内容を聞いていると、高齢女性は「どうしたらいいの」「次は?」と慌てている様子だった。芽以さんは、女性が家族ではない誰かと話している気がしたという。 明日香さんが「誰と話しているんですか」と聞くと、女性は「農協の方から労災の医療費がもらえる」と話したため特殊詐欺を疑い、ATMの操作を止めさせた。女性に「ATMの操作で入金されることはない」と説得しても納得してもらえなかったため、警察へ連れていくことに。車で移動中も、女性の携帯電話に同じ番号から何度も電話がかかってきた。 周囲からの説明を受けて女性はようやく特殊詐欺だと気付いた。 芽以さんは以前、子どもが特殊詐欺を防いだというニュースを見たことがあり、今回と状況が似ていたので詐欺に気づけたという。詐欺だと見抜くコツは「様子や内容、話し方をよく見ること」。芽以さんは「まだ防いだという実感がわかないけど、声をかけられてよかった」と笑顔。明日香さんは「次同じようなことがあっても迷わず声をかけていきたい」と話した。
西嶋俊哉署長は「親子の連携プレーで被害を防止できた。ATMで携帯を操作している高齢者がいたら声をかけていただきたい」と呼びかけた。