ジョン・ガリアーノの転落と再生に迫ったドキュメンタリー『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』日本公開
世界的ファッションデザイナーとして知られるジョン・ガリアーノの半生を追ったドキュメンタリー映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』が9月20日(金)より全国公開されることが決定。メインビジュアル、予告編、場面写真が一挙に解禁された。 【写真を見る】ジョン・ガリアーノの栄光と転落、再生に貴重な映像とともに迫っていく 本作は、ジバンシィ、クリスチャン・ディオール、メゾン・マルジェラなど名だたるファッションブランドのデザイナーとして活躍するガリアーノの栄光と転落、再生に迫ったドキュメンタリー映画。ガリアーノは、ファッション界の至宝としてキャリアの絶頂期にあった2011年2月、パリのカフェで反ユダヤ主義的な差別発言をする動画が拡散。その後有罪となり、ブランドからは解雇され、文字通り“すべて”を失ってしまう…。事件から13年たったいま、ガリアーノ本人がカメラに向き合い「すべてを話す」と語る、ドキュメンタリー映画が完成した。『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』(99)で第72回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した監督のケヴィン・マクドナルドが、ガリアーノの人間性や「彼の暴言の背景にはなにがあったのか?」に踏み込む。年32回のショーを抱え、超人的な仕事量をこなしながら、相次ぐ大切な人の死、さらにアルコール依存症が加速、「ゆっくりと死に向かっていた」と自ら告白する、その闇に迫っていく。 映画は、大胆なスタイルで世界中を魅了していったガリアーノの栄光の道程を、デビューから各ブランド時代の超豪華なコレクションを収めた貴重なアーカイブ映像とともに振り返りながら、ガリアーノを診断した精神科医、いまも心の傷が癒えないという事件の被害者にもカメラを向ける。美しさと醜さ、賢明さと愚かさ、愛と憎しみ、幸福と絶望、全編に人間存在の謎と魅力がつまった作品に仕上がった。 このたび解禁となった予告編は「ジョンが現れてファッションは突然、ロック化した」というイギリス版「VOGUE」誌編集長エドワード・エニンフルの印象的なセリフから始まる。ひとつの映画のように演出される数々のステージの裏側を語るのは、トップモデルのケイト・モスやナオミ・キャンベル、俳優のペネロペ・クルスやシャーリーズ・セロンなどの錚々たる面々と「VOGUE」誌の伝説的な編集長アナ・ウィンターやアンドレ・レオン・タリーをはじめとした、著名なファッション評論家たち。だが、数々の有名ブランドを成功に導くなか、事件は起きる。あれから13年、ガリアーノが「すべてを話す」とカメラの前に座り、真相が語られようとする。 あわせて解禁となったメインビジュアルは、2014年、ガリアーノのメゾン・マルジェラへの電撃復帰後、初のショー「2015春夏オートクチュール・コレクション」にてお披露目された記念碑的ドレスだ。最新の「2024年春夏オートクチュール“アーティザナル”コレクション」の物語性のあるドラマティックなショーは、大きな話題を集め世界中を魅了し、いまもなお健在の比類なき才能がみなぎっている。 いまなおファッション界をリードするジョン・ガリアーノの華々しいキャリアと内面の闇を描く本作。貴重な映像や証言の数々を、ぜひ映画館で目撃してほしい。 文/スズキヒロシ