メキシコ史上初の「女性大統領」誕生!ノーベル平和賞受賞歴もあるクラウディア・シェインバウムに迫る
大統領選が行われたメキシコで、現地時間の2024年6月2日、クラウディア・シェインバウム氏が大差で勝利を収めた。メキシコ初の女性およびユダヤ系の大統領が誕生したことで、同国は歴史的な節目を迎えた。 【写真】パワーを貰える...!アメリカで“史上初”を成し遂げた、素晴らしい女性たち 『CNN』によれば、前メキシコシティ市長で、ノーベル平和賞受賞者であり気候科学者でもあるシェインバウム氏は、58.3~60.7%の得票率で、国民行動党のソチル・ガルベス氏や、市民運動のホルヘ・アルバレス・マイネス氏に圧勝した。 また『CBS』によると、シェインバウム氏は選挙当局が当確を発表した直後に記者団に向けて次のように語っている。「私はメキシコ初の女性大統領になります」「私はひとりの力でここに辿り着いたわけではありません。祖国を与えてくれた女性の英雄たち、母たち、娘たち、孫娘たちとともに成し遂げたのです」 現在61歳のシェインバウム氏の勝利は、左派政党である国家再生運動(Morena)とアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール現大統領にとっても勝利となった。ロペス・オブラドール大統領は、自身が望む後継者としてシェインバウム氏を熱烈に応援していた。 ここでは、そんな次期大統領について知っておくべき3つの主なポイントをUS版『ハーパーズ バザー』よりご紹介。
いきなり、現政権が残す"多くの重大な課題"に直面する
現大統領、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏の"愛弟子"でもあるシェインバウム氏。つまり彼女の大統領選への出馬は、現職大統領の圧倒的な人気に後押しされるかたちとなった。名前の頭文字を取って「AMLO」とも呼ばれているロペス・オブラドール大統領(写真右)は2024年9月に退任する予定で、現在の支持率は60%と報じられている。 シェインバウム氏は、ロペス・オブラドール大統領が6年間の在任中に、国の貧困率を減少させたという見方もある社会福祉プログラムを擁護し、恩師と同じ道を歩み続けることを約束。そのプログラムには、高齢者向けの充実した年金制度、低所得の学生向けの奨学金制度、小規模農家向けの肥料の無料提供などが含まれている。 ただし就任後は、現政権が残す多くの課題を引き継ぐことになる。最も差し迫った問題のひとつは、今も根強く残るメキシコのさまざまな犯罪組織による暴力への対応だ。批評家たちは、ロペス・オブラドール政権がこの問題に対して適切に対処できていないと指摘している。 また、移民危機という喫緊の課題もある。現在も多くの人々が、紛争から逃れるために必死でメキシコ北部の国境を超えて米国に亡命を求めている。米国は2024年11月に大統領選を控えており、シェインバウム氏はそこで勝利を収めた大統領と緊密に協力したいと考えているようだ。