【バレー】女子日本代表 パリ五輪切符獲得へ2つのポイント「サーブの緩急」「アタック効果率」
バレーボール女子日本代表のパリ五輪切符をかけた戦いが、いよいよ始まる。14日にトルコ・アンタルヤでネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド(R)が開幕する。出場権残り5枠の行方は、このVNL予選R終了時の世界ランキングで決定。現在9位の日本は、白星を重ねてポイントを積み上げていくことが必要になる。真鍋政義監督(60)は、そのカギを「攻め抜く」メンタルに置いた。15日の初戦の相手は、世界ランキング1位のトルコ。初手からベストメンバーを組み、切符をつかみにいく。 ◇ ◇ ◇ 女子代表統括コーチの川北元氏(48)は、パリ切符獲得へ、2つのポイントを挙げた。 まずはサーブの緩急。「速いサーブだから相手を崩せるわけではない。速度はあくまでも要素。緩さとうまく組み合わせることが有効」と説いた。高速でたたきつける鋭さとコート前方に落ちるような軌道。これを高精度で交えることでサーブレシーブを崩す。目標値は、相手のセッター定位置に返す「Aパス」返球率26%以下。これが体格で勝る海外のアタッカー勢に万全の体勢で打たせないことにつながる。 もう1点は「アタック効果率」の向上。効果率は、決めた本数から直接失点となった本数を引き、打数で割った数値。たとえば計10本のスパイクを打って5本決めたところまでは同じでも、残り5本を<1>全てアウトとして失点した場合は「(5-5)÷10」で0%、<2>相手に拾われたが、そこからつないで全て自チームの得点となった場合は直接失点は0となり「(5-0)÷10」で50%。決定率といった得点部分だけにフォーカスせず、ミスの本数や内容など全打数の結果を明確にすることで、個々の貢献度を示すものとなる。 昨年のVNLを基にまとめられた日本の「Aパス」と「Bパス(セッター定位置から1~3メートルの範囲内)」返球時の効果率は、奪ったセット41・7%に対し、失セットでは21・4%と大きくダウン。川北氏はこの点を課題とし「勝っているセットの数字を常にキープすることが、1つの指標になる」と強調。セッターにしっかりレシーブが返った際に、得点につなげきることをカギとした。【竹本穂乃加】 ◆川北元(かわきた・げん) 1976年(昭51)3月25日、東京都生まれ。順大でプレーし、同大学院スポーツ健康科学研究科で修士号を取得。コーチとして女子代表に携わった12年ロンドン五輪で銅メダル獲得に貢献。17年から約5年間Vリーグ女子デンソーで監督。22年から女子代表コーチ、23年から統括コーチ兼サーブコーチを務める。