「こんなの見たことない!」と米メディアも驚愕 本当に起きた「酷すぎるエラー」と「歴史的な大暴投」
両リーグで失策数トップの阪神・佐藤輝明が9月8日のヤクルト戦で、平凡な飛球を頭に当てて落球し、その直後、痛恨の3ランを誘発する事態を招いた。1981年の中日・宇野勝の歴史的珍プレー“ヘディング事件”を思い出したファンも多かったようだが、過去には佐藤輝明の拙守も霞んでしまいそうなトンデモエラーや大暴投も多数あった。【久保田龍雄/ライター】 【写真で振り返る】あなたは何人わかる? プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10
ボテボテのファーストゴロ、際どいタイミングではあったが…
まずはファンの記憶にも新しい2022年10月14日のCSファイナルステージ、ヤクルト対阪神第3戦で起きた“満塁の走者一掃の投ゴロ”から紹介する。 第1戦、2戦と連敗し、あとがなくなった阪神は、大山悠輔の2点タイムリーなどで3点を先行。先発・青柳晃洋も6回まで3安打無失点と好投し、ようやく一矢報いるかに思われた。 7回にまさかのどんでん返しが待っていた。2四球と死球で2死満塁のピンチを招いた青柳は、次打者・山崎晃太朗を一ゴロに打ち取り、スリーアウトチェンジと思われた。ところが、二塁封殺を選択したマルテが痛恨の悪送球。この間に2者が還って、たちまち1点差に。さらに青柳をリリーフした浜地真澄も、宮本丈に四球を許して再び2死満塁となり、最も怖い打者・村上宗隆に打順が回ってきた。 村上はカウント2-2から浜地の6球目、外寄りに甘く入ってきた直球をフルスイング。打球はボテボテのゴロとなって一塁線を転がった。 一塁は微妙なタイミングながら、打球を処理した浜地が「アウトにできると思った。投げない選択肢はなかった」と咄嗟の判断でグラブトスを試みると、なんと、マルテの頭上を高く越える悪送球となり、3人の走者が次々にホームイン(記録は内野安打とエラー)。執念のヘッスラを決めた村上は「いいヒットではなかったけど、それも野球なので、僕の中で満足しています」とベース上で爆笑した。 一挙5得点で逆転したヤクルトは、3連勝で日本シリーズ進出。一方、阪神は、シーズン前に矢野耀大監督が異例の同年限りでの辞任を表明し、リーグワーストの開幕9連敗を喫しながらも、ギリギリ3位でCSファイナルステージまで駒を進めたが、悪夢としか言いようのない2つのエラーで“終戦”となった。