材料1種類で「造り物」 パリ五輪などモチーフに住民制作 270年の伝統守り奉納/兵庫・丹波市
兵庫県丹波市を代表する夏祭り「愛宕祭」が23日、氷上町成松市街地で始まった。呼び物の「造り物」の奉納は、7組中4組がパリ五輪をモチーフにした作品を制作するなど、「世相を反映し、1種類の材料でつくる」270年の伝統を守った。24日まで。 常楽新田組は、祝儀物一式で、万歳をして金メダルを喜ぶ柔道の阿部一二三選手と、傍らで泣き崩れ、コーチに慰められる阿部詩選手を制作。両選手の顔は清酒のたる、一二三選手の柔道着は白地の帯で表現した。風呂敷、ふくさ、扇子などを使った。
制作を担当した6組の松本義明組長は「力を合わせて最高の作品ができた」と笑っていた。 宮前組は、スクラップ一式で凱旋門を制作した。船を作ることが多かったが、五輪に引っかけ、建物に挑戦。タイルのように見えるのはちょうつがい。車のエンジンでレリーフを表現した。エッフェル塔もちょうつがいで作った。 担当した1組の赤井英輔さんは「本物は白亜、こちらはさびた茶色。色は違うが、装飾やアーチをうまく表現できた」と充実感をみなぎらせていた。
丹波新聞社