DeNAタイ勝 復活オースティンがV弾!左足痛も強行出場 さあ!横浜で成り上がり決着だ
◇SMBC日本シリーズ第4戦 DeNA5-0ソフトバンク(2024年10月30日 みずほペイペイD) 「SMBC日本シリーズ2024」は30日、第4戦が行われ、DeNAが5―0でソフトバンクに快勝し、連勝で2勝2敗のタイに戻した。4番のタイラー・オースティン内野手(33)が決勝打となる先制ソロなど2打点。自打球による左足甲の痛みを押して出場し、自慢の強力打線の中心として引っ張った。リーグ3位からの「史上最大の成り上がり」へ、チームは第6戦を戦う本拠地へ戻ることが決まった。 打球がフェンスを越えれば走る必要もない。オースティンはゆっくりとダイヤモンドを一周した。「いい感触で芯で打てた。本当は全打席歩いて帰ってこられるホームランを打ちたい。でもあの打席もうれしかった」 0―0の4回1死。石川の5球目直球を右翼テラス席に運んだ。来日5年目の日本シリーズ第1号。一挙4点で勝負を決めた7回も5点目のダメ押し左前適時打で続いた。3安打2打点とフル回転し、強力打線を乗せた。 少年時代の指導者の教えで、全力プレーだけは絶対にやめないと誓う。手負いでも変わらない。26日初戦の6回に左足甲に自打球を受け途中交代。第2戦はベンチ入りを外れ、第3戦から強行出場していた。この日も2回に中前打で出塁すると、2死から佐野の右前打で三塁へ。走塁を「ぶっちゃけめちゃくちゃ痛かった」と振り返る。だが、三浦監督が「痛みがないわけがない。気持ちですよ」と称える底力は「成り上がり」を狙うチームに好影響を与えている。 古巣の「戦友」からも刺激も受けている。アーロン・ジャッジだ。ともに24歳だったヤンキース時代の16年8月13日に同時メジャーデビュー。そして2者連続で初打席初本塁打する球団史上初の離れ業をやってのけた。 午前中にはワールド・シリーズ第4戦で、不振のジャッジが大谷擁するドジャース相手にシリーズ初打点の左前適時打をマーク。「ハイライトで見た。本当に面白いシリーズになっている」と笑い、「オフには連絡を取り合おうかな」と最高の報告をし合うことを心待ちにした。 2勝2敗のタイに戻し、第6戦以降を戦う本拠地に帰れることが決まった。「チーム全体でその日の試合を、全力を出し切ろうとやっている。必ず横浜に戻るという気持ちでやっていた」と三浦監督。打撲で歩くのもつらい痛みをこらえ全力を尽くす4番は言う。「状態は正直良くない。けどアドレナリンも出るから痛くはない。横浜に戻れることが楽しみ。ファンの熱を早く感じたい」。その視線は26年ぶりの頂点しか見ていない。(大木 穂高) ▽ジャッジとオースティン ヤンキースが地区4位と低迷していた16年8月、通算696本塁打のA・ロドリゲスが電撃引退すると、その翌日の13日のレイズ戦で再建への期待を背負い当時24歳だった2人が同時にメジャーデビュー。2回に7番オースティンが初打席で本塁打すると、8番ジャッジも続いた。新人の2者連続初打席初アーチは球団史上初だった。この年はオースティン5本塁打、ジャッジが4本塁打で終了。翌年、ジャッジは52本塁打で新人王と本塁打王と大ブレークを果たした。 ≪V率48%≫シリーズで2勝2敗(引き分けありを含む)となったケースは30度目。過去29度のうち、追いついたチームの日本一は14度ありV確率は48%。今回のように開幕2連敗後に2連勝で追いついたのは15度目で、過去14度のうち半分の7度がVと互角の結果になっている。