山田雅人マイク1本で「かたりの世界」名場面を再現 きっかけは高田文夫さんの言葉
山田雅人マイク1本で「かたりの世界」名場面を再現 きっかけは高田文夫さんのアドバイス
デビューから30年以上にわたり、タレントや俳優として活躍してきた山田雅人(58)。そんな山田がここ10年、マイク1本でスポーツの名場面などをリアルに再現する「かたりの世界」で注目を浴びている。「人の人生をかたる以上は、書籍などで作ってはいけない」をモットーに山田は本人や名場面に立ち会った関係者など自ら取材。その数は約3千人を超えるという。今回はそんな独特な世界を構築したきっかけに迫る。 【ノーカット】山田雅人マイク1本で「かたりの世界」かたる 親友の三代澤康司アナも登場
楽屋で共演者を相手に競馬実況披露、それが高田さんの目に留まり
山田といえば朝の情報番組「おはよう朝日です」のコーナー「おーい、山田くん」などで人気を集め、後にはドラマ「渡る世間は鬼ばかり」「ぽっかぽか」で俳優としての顔もみせるなど、マルチな活動が印象的だ。 そんな山田がなぜ「かたり」の世界を構築していったのか。それは、あるテレビ番組の楽屋でのやり取りがきっかけだった。 山田は楽屋で時間がある時に、自分の持ちネタである競馬の実況再現を基に、大好きな競馬の話、特にオグリキャップなど「名馬」のことを物語風に語ることが多かった。 それを見ていた、放送作家の高田文夫さんは突然山田にこういった。「俺は馬のことがわからない。競馬を知らない人でもわかるような『かたり』を作ってみないか。模倣芸じゃなく、マネでもなく、自分にしかできない芸、人物伝を作ってみたら」
年賀状で「かたり」の依頼、完成の連絡後舞台用意される
その言葉から間もなくして、高田さんから届いた年賀状には「稲尾和久さんと長嶋茂雄さんの(1958年)西鉄×巨人の日本シリーズ。西鉄が3連敗のあと4連勝で優勝したことをかたりにして」と書かれいた。 山田は稲尾さんと長年番組で共演しており、その時のことはすでに取材済み。しかし、それだけではと稲尾さんの故郷である大分県別府市を訪ねたり、西鉄の同僚だった中西太さんから話を聞いたり、約半年にわたり取材を重ね高田さんに「完成しました」と年賀状に書いて送った。 すると、ほどなくして落語家の春風亭昇太から「高田先生から山田が新しいかたりの世界を作ったから舞台を作れって頼まれたよ。君が変なことを言うから、僕が舞台を作る羽目になったよ」と電話がかかってきた。 「僕は高田先生の自宅で開かれる新年会で披露するものとばかり思っていたので驚きました。結局、昇太さんのプロデュースで下北沢で2日間『山田雅人かたりの世界』の舞台を作って頂いたんです(笑)」