トランプ氏、有罪評決受けながら就任する初の大統領に…10日に量刑言い渡しも収監されない見通し
【ニューヨーク=山本貴徳】米国のトランプ次期大統領が不倫の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で、ニューヨーク州地裁は3日、量刑の言い渡しを10日に行うことを明らかにした。判事は昨年5月の有罪評決を維持しつつ、トランプ氏を収監しない方針を示した。 【一覧】トランプ前大統領が起訴された四つの事件
判事は3日の決定で、トランプ氏が今月20日に大統領に就任するため、量刑の内容によって業務に支障が出るとの懸念に配慮し、「収監する意向がないことを明らかにするのが適切」と明記した。また、「控訴の手続きを進められるように、無条件の釈放が最も現実的だ」との判断を示した。
トランプ氏は裁判の打ち切りなどを求めていたが、判事は「量刑に進むための法的な問題は存在しない」と指摘し、10日に裁判所に出頭するか、オンラインで出席するよう求めた。
トランプ氏は不倫や不正への関与を否定していたが、有罪評決を受けながら就任する初の大統領になる見通しだ。トランプ氏の広報担当は声明で「量刑の言い渡しは必要ない。トランプ氏はデマが全て消えるまで闘い続ける」と反発した。
トランプ氏は2016年の大統領選の前に、顧問弁護士を通じて不倫相手の女性に13万ドル(約2000万円)の口止め料を支払い、それを隠すために業務記録に「弁護士費用」と虚偽の内容を記載したとして罪に問われた。市民から選ばれた陪審員は評決で、起訴された伝票や小切手の改ざん計34件すべてで有罪との判断を示した。
量刑の言い渡しは当初、昨年7月に予定されていたが、トランプ氏側が評決の無効を申し立てたため、延期されていた。