居住エリアのリビング

　日清食品チキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」を手がけた人気デザイナー・中野シロウさん（５７）の山梨県北杜市高根町清里の自宅を改装した「ナカノ　ミュージアムホテル」が来年１月、一般向けにオープンする。中野さんが収集した国内外のビンテージ玩具、雑貨など約３万点を楽しむことができる。若者らを呼び込み、清里にかつてのにぎわいを取り戻したい考えだ。（河合正人） 【写真】チキンラーメンのパッケージに描かれる「ひよこちゃん」

　中野さんは２０２０年に東京から清里に移住。ライフワークとして１０代の頃から集めてきた貴重なサブカル品をデザイナーの感性で自宅に飾り、訪れた業界関係者らの間で評判を呼んできた。

中野さんの収集品を飾ったミュージアムホテル（いずれも北杜市で）

　ホテルは、中野さんと携帯電話販売などの「ティーガイア」（東京）が設立した新会社が運営する。吹き抜け２階建てのミュージアム空間に加え、リビング、浴室、寝室などの居住エリアも合わせて約４６０平方メートルを改装した。

　宿泊は１日１組（原則６人まで）で、全館貸し切りのほか、居住エリアで過ごしながらミュージアムに時間限定で入れるコースもある。ミュージアムが空いている時間は、入れ替わり制で見学のみも受け付ける。

　収集品は、中野さんが年代物のフィギュア、ピンボールマシンからレトロな家電まで壁や棚に並べていたものを、透明のアクリル板などで保護して展示される。設計や内装、家具などにこだわった人気デザイナーの住まいも堪能できる。

　料金は、付加価値の高い体験ができるホテルとして高額な設定となるが、学生の体験やウェディングなどグループの利用も受け付ける。

　中野さんは「世界に一つのミュージアム。清里の新しい魅力を発信する拠点にしたい」としている。

　問い合わせなどは、同施設のホームページまで。