【解説】代表選を通じて見えた立憲民主党の進歩と弱みとは?
政策面の弱みを乗り越えられるか?
菅野氏は、「今回の両党の代表選挙では、それぞれの党の弱みを乗り越えられるかどうかが、見応えのある選挙になっている」と指摘します。 菅野氏は次のように整理します。 自民党:安全保障は強いけれど、人権保障は弱い 立憲民主党:人権保障の関係はしっかりした受け皿になっているが、安全保障が弱い その上で、最近野田氏と枝野氏が、安保法制の違憲部分の廃止に踏み込んだ件では、「立憲民主党として安全保障の弱みとされてきたところを乗り越え、政権を担えると示す大きな一石になった」と、ポジティブな評価をします。 選挙公約とセットになるのが推薦人ですが、今回の代表選について菅野氏は、「推薦人と候補者というのがすごくリンクしている感じ」と評価します。 新たに、野田氏や枝野氏が代表になった場合、党運営はどのように変わるでしょうか。菅野氏は次のように分析します。 野田氏:政策的には中道から保守までを取っていき、できれば国民民主党、場合によっては日本維新の会も視野に入れる。無党派層の4割を狙う政権交代を目指している。政局と政策が一致。 枝野氏:安保法制については違憲部分廃止、むしろ容認だが、支えているメンバーは決して容認しなそうなメンバーでギャップがある。正当性を訴えて党をまとめていくこと自体は悪いことではない。 菅野氏「枝野氏に関して言うと、安保法制の違憲部分の廃止を容認すると言いながら、憲法については、自分が閣議決定を変えれば違憲の法律が合憲と言えるという主張、こういうのは止めたほうがいいと思います」 菅野氏は「違和感を持つ」と発言し、「これからの政治家や政党は、時代が変われば環境が変わり、自分も成長する中で、政策が変わった中で誠実になぜ変わったのかを語ればいいのだと思う」と語ります。 菅野氏「(ごまかさない)そういう政治家のほうが強くないですか?」 なお、枝野氏の日本共産党との選挙協力に対する考えは、前回の代表選から変化した、というのが見立てです。 菅野氏「各地域や小選挙区に手綱を任せて本部はバックアップに回るというのが枝野さんの今のひとつの解なんだろうな」