クレーン車はイチバン“EV化向き”? 世界初の電動クレーン車が現場の常識を覆す!? ただ価格もスゲエ!
本体価格はメチャ高い!
とはいえ、EV化にはとうぜんながらデメリットもあります。「eGR-250N」の場合、最も負担が大きくなるのは導入コストで、販売価格は1台あたり約1億4800万円(税別、装備品等により価格は異なる)にもなります。これは、ディーゼルエンジン仕様の同クラスのラフテレーンクレーンの3倍にもなる金額です。 ランニングコストについては、モーター駆動ゆえにディーゼル車と比べてメンテナンス回数が少なくなり、電気使用料金については地域や契約によって異なるため純粋な比較が難しいそうですが、目安としては燃費と同等かそれよりも安くなるとのこと。全体的に見ればEVクレーンはディーゼルクレーンよりもランニングコストの面では安く済むようです。 車両本体価格が高いため、現時点では販売よりもリース(タダノでは従来のリースとは異なる方式のため賃貸と呼称)契約の方が多いものの、「eGR-250N」はすでに複数の現場で稼働しているとのハナシでした。 今後は、この車両の開発で得たノウハウを元に新たなEV建機の開発も見据えており、メーカー担当者もハイブリッドや水素(燃料電池)といった他の駆動方式による新モデルの開発に前向きな発言をしていました。 技術革新が着々と進んでいる建機業界。近い将来、異なる分野の非ディーゼル建機が同社から実用化されているかもしれません。
布留川 司(ルポライター・カメラマン)