【解説】避難生活長期化で“命の危険”も…「エコノミークラス症候群」どう予防する? 避難者数3万人超…能登半島地震5日目
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■避難者数3万人超 長引く避難生活…注意点は?
鈴江奈々キャスター 「能登半島地震発生から5日で5日目となりました。避難生活を送る上での注意点について、災害時の健康管理に詳しい新潟大学・特任教授の榛沢(はんざわ)和彦医師にお話をうかがいます」 「石川県によりますと、5日午後4時の時点で、3万2000人以上の方が避難生活を送っています」
■避難生活で“体勢”変わらず「エコノミークラス症候群」になる危険性が…
鈴江キャスター 「榛沢医師は2004年の中越地震で診療にあたってこられましたが、いま最も心配されているのが『エコノミークラス症候群』だということです。あらためて、これは、どういった症状なのでしょうか」 榛沢医師 「まず、『エコノミークラス症候群』というのは、足の静脈にできた血栓(血液のかたまり)がだんだん大きくなるんですけれども、その時点では症状がない、というのが一番怖い。足に血栓ができているんだけれども症状がない、と。それがすごく大きくなってしまって初めて、流れていって詰めてから症状が突然でる、というのが怖いんです」 鈴江キャスター 「その症状というのが、『胸の痛み・循環不全』などを起こす、ということでしょうか?」 榛沢医師 「はい。『ショック』といいますけど、肺の血管が全部詰まってしまうと、心臓に戻ってこなくなってしまうので、血圧がガーンと下がってしまうんですね、それを『ショック』といいますけれども、そういう状態になってしまいます」 鈴江キャスター 「そうすると、命の危険もあるものなのでしょうか?」 榛沢医師 「そうですね。詰まってしまうと…病院で起きたものなら助かりますけれども、外部でなった場合にはほぼ助からないと思った方がいいと思います」 鈴江キャスター 「環境として、避難生活でどういった状態で起こりやすいのでしょうか?」 榛沢医師 「避難所だと、ずっと雑魚寝をしている状態。要するに、床でずっと座りっぱなしとか、寝っぱなしとか。あと、冷えると、『循環不全』はさらに加速されますので、冷たい床で寝ている状態が危ないと思います」 鈴江キャスター 「そして、車中泊をされているという方もいらっしゃるようですが…」 榛沢医師 「車中泊は、毎日毎日重なっていく…リスクがどんどん重なっていくと考えた方がいい。新潟県・中越地震では、3泊以上連泊した方が肺塞栓を多く起こしていましたので、やはり毎日毎日重なっていくことが危険なので」 「(今回の能登半島地震も)5日目、6日目になっていくともっと危険になりますので、いま車中泊している方がいらっしゃいましたら、『水分をとる』、『動く』、それから、足に『弾性ストッキングを着ける』とか、そういった予防法を本当に今すぐやってください」