円強気予想が後退、タカ派FRBとハト派日銀で金利差縮小期待しぼむ
みずほ証は、来年は政策金利と10年債利回りの日米格差が縮小するため、円が23年初頭以来の水準まで上昇すると予想していたが、FRBの最新の政策金利見通しで来年の0.25ポイント利下げ回数が2回に半減したことを受け、予想を修正した。
みずほ証の山本雅文チーフ為替ストラテジストと三原正義マーケットアナリストは19日付リポートで、修正の理由について「当面は米経済の相対的堅調と金利の高止まりを背景にドルも高止まりする可能性が高まった」と説明した。
ストラテジストは、短期的に円が対ドルで160円まで下落する可能性があると警告する。この水準に達すると為替介入のリスクが高まるだけでなく、日銀が早期に利上げに踏み切る可能性も出てくる。加藤勝信財務相や三村淳財務官は20日、過度な動きに対しては適切な措置を取ると円安をけん制した。
野村証券の森田京平チーフエコノミストと後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで、「日銀は追加利上げを3月まで待つ可能性が高い」とし、従来の1月利上げ予想を修正した。短期的には円安が行き過ぎるリスクが高まっているとした上で、25日には植田総裁が経団連審議員会で講演する予定で、日銀がタカ派化する可能性や口先介入に注目していると記した。
--取材協力:George Lei、Carter Johnson.
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Mia Glass, Daisuke Sakai