様々なハーブが香るカレーを味わい、気分はタイ旅行
三重県に本社を置く総合食品メーカーのヤマモリが現地製造したタイカレーの開発と日本への輸入を開始して今年で25年目になるのを記念したプレス向けセミナーが4月9日、東京都内で行われた。 タイ料理研究家の長澤恵さんによる調理の実演もあって、会場は独特の香りに包まれた。また多種多様なタイカレーに使われている生ハーブもズラリと展示され、まるでタイを旅しているような雰囲気だった。 セミナーの冒頭、タイ国政府観光庁東京事務所のカジョンデート・アピチャートラクン所長が、「フードはタイの魅力発信で力を入れている五つのFの一つ」と述べ、タイカレーをはじめとするタイフードによって、日本からのタイ旅行者が増加することへの期待を表明し、今年の日本からタイへの旅行者数の目標は「100万人」だとした。
ヤマモリは1889年の創業以来、醤油醸造業を祖業とし、調味料やレトルト食品、飲料など幅広い商品を開発してきた。なかでも力を入れている事業の一つがタイフードだ。 1988年、タイに進出し、日本向けの調理缶詰とタイ市場向けの日本醤油の製造に着手した。2000年には現地製造したタイカレーの開発と日本への輸入を開始。 今年2月、同社は日本で「タイカレー ゲーンパー」を発売した。この日はこのゲーンパーをはじめ各種タイカレー製造に使われている生ハーブが会場に並べられた。
ゲーンパーは、「森のカレー」とも呼ばれ、山の素材を生かしたタイ中部地方のカレーだ。ココナッツミルクを使用せず作るのが特徴で、ホーリーバジルなどのハーブのすっきりとした香りとナンプラーのうまみ、唐辛子と黒胡椒の辛さが強調される味となっている。 この日は9種類のタイカレーとガパオライスの合計10品の試食を行った。調理の実演を行った長澤さんは、「インドカレーがスパイスカレーだとするとタイカレーはハーブカレーだということができる」と説明した。
タイカレーをはじめとするタイフードへの注目度は年々高まっている。会場で展示・試食された中には「タイカレー マッサマン」も含まれていた。 もともとタイ南部でよく食べられていたマッサマンは、フレッシュなハーブの香りを効かせるほかのタイカレーとは違い、ドライスパイスをふんだんに使って、じっくり煮込む。具材としては、大きめの鶏肉、じゃがいもと、玉ねぎ、落花生が入っている。 2021年4月のタイ国政府観光庁の発表によると、ニュースメディア「CNNトラベル」が選んだ「世界の美食トップ50」の1位にマッサマンカレー、有名なタイのスープ「トムヤムクン」が8位に、ソムタム(パパイヤのサラダ)が46位に入っている。 タイ各地の文化の影響を色濃く反映したタイカレーをはじめとする料理を味わいながら、タイ旅行での訪問先を考えてみるのも楽しそうだ。