【実話】まるで往復ビンタ…「ワンルームマンション」に1,800万円つぎ込むも利益は「月5,000円」。初心者不動産投資家の苦行
2.条件がよさそうな物件を選ぶ 失敗した理由の2つ目について説明していきます。あなたは物件を選ぶ際に、 ・都心 ・駅近 ・築浅 ・家賃が高い ・見た目がキレイ など、条件のよい物件を求めていませんか? 私もそうだったので気持ちはよくわかります。しかし、条件がよさそうな物件を選ぼうとすると失敗につながるのです。ここからも私の物件で比較しますね。 それでは実際の投資額で比較しましょう。ワンルームの投資額は1,800万円ですが、戸建て8物件の投資額は1,742万円(物件代+修繕費用)です。ほぼ同じ投資額で得られる家賃を比較すると、ワンルームの家賃9万円に対し、戸建ては家賃36万円です。 全然違いますよね。戸建てのほうが4倍も家賃が多いのです。それなら家賃の多いほうがいいですよね。 好立地・家賃が高い・築浅など、多くの不動産投資家が物件選びで大きな勘違いをしています。自分の常識や世の中の常識で物件の条件を細かく見るのではなく、投資対象として「儲かるのか?」の1点を見極めることが大事です。 不動産投資をやろうとした目的を思い出してください。物件がほしいわけではなく、家賃収入がほしくて不動産投資をやるわけですよね。細かい条件に捉われて、本質を見失わないようにしてください。 3.利回りが低すぎた 失敗した理由の3つ目は、「利回りが低すぎた」ことです。 不動産投資で利回りは大事です。利回りは、リターンを投資額で割って計算します。不動産投資のリターンとは、年間家賃など入って来るお金です。投資額とは、物件代や修繕費用など出ていくお金です。 簡単にいうと、利回りとはリターンが投資額を上回るスピード。「何年で元が取れるのか」という計算です。 たとえば、利回り5%のワンルームだと、元を取るのに20年間もかかってしまいます。亀のようにスピードが遅いです。一方、利回り20%の戸建てなら5年間で元が取れます。スポーツカーのようにスピードが速いです。 ですから、利回りは時速と同じと思っていただくとわかりやすいでしょう。利回り5%より20%のほうがスピードは速いので、早くゴールにたどり着きたいのなら、利回りの数字は大きいほうがよいのです。 不動産投資の利回りは、一般的には「10%だったら、いい線いってる!」という感覚があるでしょう。私もそう思っていました。私は慎重な性格なので、利回り10%ではなく、余力を見て、利回り12%のアパートを買ったのです。ところが、大赤字になりました。 リターンが投資額を上回るスピード リターン(年間家賃など総収入)/投資額(物件代+修繕費用など総経費) =利回り(%) 利回り5% 20年で上回る? 利回り20% 5年で上回る! ここで、私のアパートの収支を公開します。物件購入後、最初の6か月間の合計で30万円の赤字です。毎月のように入居と退去の費用が発生していますよね。 入ってくる家賃は3万円と少額なのに、出ていくときはドバーッと一斉になくなります。入居のたびに出費、退去のたびも出費が発生するので、家賃が手元に残らず赤字続き。まるで往復ビンタを食らっているようです。最後は、不動産取得税が30万円かかってノックアウトされてしまいました。 物件を買ってから精神状態が穏やかではなかったのです。「やばい物件を買ってしまった」と、ずっとビクビクしていました。退去や修繕の連絡が来るたびに憂鬱になる。これがリアルな実態です。 利回り12%のアパートを買えば儲かると信じ込んでいた私は、本当に考えが甘かったのです。 恵比寿 吉之助 中高年の資産所得倍増アドバイザー ※本記事は『50代から年収100万円アップできる老後資産構築法』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
恵比寿 吉之助