北陸で梅雨入り 7年ぶり6月下旬の梅雨入り 線状降水帯など短期集中型の大雨に警戒
6月22日、北陸地方で梅雨入りの発表がありました。平年より11日遅く、昨年より13日遅い梅雨入りとなりました。6月下旬の梅雨入りは7年ぶりの遅さとなります。遅れていた梅雨入りですが、本格的な雨のシーズンとなります。今年は「短期集中型」の雨の降り方をする可能性があります。北陸地方では2年連続で線状降水帯が発生していることもあり、今年も線状降水帯などによる大雨に警戒が必要です。
北陸地方梅雨入り 過去10年では2番目の遅さ
北陸地方では、速報値ですが、本日6月22日に梅雨入りの発表がありました。2014年から昨年2023年までの過去10年では、2017年の6月25日に次いで2番目に遅い梅雨入りとなりました。 2018年以降、梅雨入りは6月10日前後の年が続き、平年並みか少し早いくらいの梅雨入りの年が多くなりましたが、今年は7年ぶりの6月下旬の梅雨入りとなりました。
6月下旬の梅雨入りは過去に8回
統計のある1951年以降、昨年までの期間で6月下旬に梅雨入りしたのは8回のみとなっており、今年で9回目となります。過去最も遅い梅雨入りは1958年と1987年の6月28日となっています。 6月下旬に梅雨入りした年の梅雨の傾向は、はっきりとした傾向はありませんが、過去最も遅い梅雨入りとなった1958年と1987年はいずれもエルニーニョ現象の発生していた年となっています。 また、梅雨明けは平年より遅くなる年が多くなっています。梅雨の日数を見ても、梅雨入りが遅れたにもかかわらず、梅雨日数の平年(42日)より極端に少ない年は多くはありません。ただ、1958年は7月9日に梅雨明けしており、極端に梅雨期間の日数が短い年もありました。 なお、降水量の傾向や短時間強雨の発生の傾向に特徴は見られませんでした。
北陸では2年連続で線状降水帯発生 今年も短期集中型の大雨には警戒
最新の1か月予報によると、向こう一カ月の降水量は平年並みか多い傾向となっています。梅雨入りは遅れましたが、7月に入ると太平洋高気圧が強まる時期があり、梅雨前線が一気に北上する傾向となっています。もし、梅雨明けが平年並みか早くなった場合は、短い期間に集中的に降る「短期集中型」の梅雨となるおそれがあります。 さらに、北陸地方では昨年、一昨年と2年連続して線状降水帯が発生しています。線状降水帯とは、発達した雨雲が線状に次々と発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのことです。同じような場所で非常に激しい雨や猛烈な雨が降り続くことから、甚大な災害の発生するリスクが高まります。 線状降水帯は、かつては西日本で多く発生するイメージがありましたが、近年は北日本や東日本でも線状降水帯の発生が頻発しており、北陸でも昨年・一昨年と2年連続で線状降水帯が発生しています。 2022年8月3日は新潟県の下越地方で線状降水帯が発生し、翌日の8月4日には福井県嶺北地方でも線状降水帯が発生しました。昨年2023年7月12日~13日は石川県加賀地方から富山県にかけて線状降水帯が発生しました。 これらの事例の共通点は、①梅雨前線が日本海から北陸地方を南下するパターンであったこと、②暖かく湿った空気が南からではなく、西や北西から流れ込んだこととなります。梅雨末期を中心に梅雨前線が日本海まで北上することが多くなってくるため、いったん北上した前線が南下してくる気圧配置の時は要注意となります。 地球温暖化の進行で、海面水温が上昇していることから、線状降水帯などによる極端な大雨は増加すると懸念されています。北陸地方でも2年連続線状降水帯が発生していることから、今年も線状降水帯による大雨には警戒が必要です。