【オークス・レース回顧】2着ステレンボッシュ直線での「なぜ」 ルメールのクレバー騎乗も光った
[GⅠオークス=2024年5月19日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】 渡辺 勝ちタイムの2分24秒0はアーモンドアイの2分23秒8、スターズオンアースの2分23秒9とそこまで差がない。単純にレベルの高いレースと俺は感じたな。 柏木 2分22秒台が出て不思議のない時代。純粋なハイペースなら、もう少し速い時計が出ていたと僕は思います。ハイペースで飛ばした2頭と、それより後ろでは違う競馬をしていましたし、実質は平均ペースでした。 渡辺 ラヴズオンリーユーで2分22秒8。リバティアイランドで2分23秒1。2分22秒台はさすがに厳しいような気がするけどな。 柏木 しかし、勝ったチェルヴィニアは素晴らしい状態でしたね。しっかりと調教をやり、前回とは違う馬体に見えましたよ。 渡辺 同感。能力があるのは分かっていたが、完全に立ち直っていないと思って評価を上げ切れなかった。ここは反省材料だな。状態が戻ってさえいれば、勝って不思議のない力がある馬。ハービンジャー産駒ならマイルよりも今回の距離が合う。これも大きかったんじゃないか。 柏木 2着のステレンボッシュも地力を示した。あえてチェルヴィニアとの違いを挙げるのであれば、直線の進路取りでしょうか。ロスがあったわけではないですが、それでもゴチャつく内にどうして行ったのかな…という印象は持ちました。 渡辺 確かに。今回はステレンボッシュをマークしつつ、簡単に外へは出させなかったルメールのクレバーな騎乗にやられたところもある。実力は双璧。ちなみに俺が◎にしたライトバックは3着だったが、上位2頭とは現段階での力量差があったと思う。でも、最後はいい伸びをしていたし、素晴らしい馬体をしているから、確実に成長してくれるはずだ。 柏木 鞍上の坂井騎手は早めに馬場入りさせて馬を落ち着かせ、イレ込まないように尽力していました。これが印象に残りましたね。追い込み馬の難しいところはあったと思いますが、渡辺さんの言うように力は持っていますし、秋への期待をつなぎましたね。 渡辺 終わってみれば上位人気3頭の決着で、その次の4着もクイーンズウォーク。この面々が秋も主役になりそうだ。まあ、その中心にいるのは上位の2頭だが。 柏木 クイーンズウォークは現段階では少し決め手不足ですが、成長力はありそうです。5着のランスオブクイーンは大外枠からしぶとい競馬をしていました。このあたりまではマークしておきたいですね。
東スポ競馬編集部