渡辺雄太、八村とホーバス監督の確執について説明 沈静化を求める/バスケ
バスケットボール男子日本代表でパリ五輪の主力だった渡辺雄太(30)=千葉J=が28日、東京都内で取材に応じ、八村塁(26)=レーカーズ=の発言が波紋を呼んでいる問題で経緯や現状を説明。八村とトム・ホーバス日本代表監督との関係について確執を認めつつも「誰も悪い人はいない」とした。 渡辺は「全部が噓みたいな記事が出て、信じてしまう人もいるのは不本意。あまりにも事が大きくなって、トムに負担がかかるのが嫌だった」と取材に応じた理由を説明。質問は受けず15分以上の間、自らの言葉で説明した。 渡辺は、八村とホーバス監督の確執の発端は、パリ五輪出場権を獲得した昨年のW杯後の会見での、ホーバス監督の回答にあると指摘した。 その会見でホーバス監督は、パリ五輪に向けて八村とどうコミュニケーションを取っていくかという質問に「彼がやりたいんだったら、彼から声かけていいと思います。私たちはスタイルは変わらないです。だから彼が来るんだったら、私たちのバスケをやらせます。当たり前。彼は入ってほしいけれど、彼がやらないんだったらこのメンバーでいいチームを作りましょう。自信あります」と答えた。これを報道で知った八村が激怒したとされている。 渡辺は「マネジメント会社が間に入るためトムから塁に直接連絡する手段は一切ない。だから、塁から連絡してきてほしいという趣旨だった」と説明。また「塁がいなくても勝てるチームを作る自信があるというのは、W杯を戦った僕らに対するリスペクト。もしトムが『塁がいないと五輪は戦えない』なんて発言をしていたら、さすがに僕たちも『その発言はおかしいでしょ』ということになっていた」と状況を解説した。 またNBAのシーズン中に代理人が間に入って競技に集中させるのは当然のこととし、「誰が悪いわけでもない」と、単なるボタンの掛け違いであることを強調した。 渡辺は八村、ホーバス監督の双方と連絡を取っており、今回の説明についても八村に了解を得ているとした。その上で「僕は、トムは誰よりも日本代表監督にふさわしいと思っています。僕だけじゃなく、今代表にかかわっている選手、スタッフのほとんどはそう思っているんじゃないかな」とホーバス体制を支持。パリ五輪後の再任にあたって、代表選手ほぼ全員と連絡を取って意向を確認しながら八村に連絡がなかったことも「トムからしたら、直接連絡する手段はなかったのだから」とした。 そして、今回の問題でホーバス氏が監督を退任するようなことになったら日本代表が崩壊すると指摘し、「(そんな状態は)正直、許せない。塁に対して許せないっていうわけではなく、こういう雰囲気を作った状態、そういう記事だったりを許せない状態になる」と危機感を表した。
「自分も、代表について、こうしてほしいといった意見は日本協会にしているが、水面下でやるもので、公にするようなことではない。塁も聞かれたから答えたんだと思う」と渡辺。最後に「この件はしっかりと、自分たちが中でやる問題だと思っている。気になる話題だとは思うが、これ以上こう大きくするだったりとかは避けてほしい」と沈静化を願った。