行政職員の困りごとをAIで解決!デジタル庁の「AIアイデア・ハッカソン」に潜入してきた
デジタル庁は今年11月7日(木)、行政職員を対象とした「AIアイデア・ハッカソン」を開催しました。 行政職員の困りごとをAIで解決!デジタル庁の「AIアイデア・ハッカソン」に潜入してきた 職員から業務の悩みをつのり、それを解決するプロトタイプをAIエンジニアがその場で開発するという試み。実際にどんなユースケースが生まれたのか、当日の様子をお届けします。
職員から持ち込まれた悩みをAIで解決
会場ではまず、デジタル庁の民間専門人材のエンジニアが職員から課題をヒアリング。内容に応じて最適なチームに振り分け、各チームのエンジニアがプロトタイプを作成します。 今回プロトタイプ開発に参加したのは、AWS、Google Cloud、日本マイクロソフトの各クラウドサービス、AIスタートアップのELYZAに加え、東京都および東京都のDX推進を行なう「GovTech東京」のエンジニアチーム。 課題を解決するための仕組みを、生成AIを使ってその場でつくりあげていきます。 ハッカソンは5時間にわたって実施。 職員から人事・総務関係の業務に関するものを中心にさまざまな課題が持ち込まれ、エンジニアたちがそれぞれのアイデアやテクノロジーを駆使して、スピード感を持って課題解決策が生まれる現場に立ち会うことができました。 なんと合計38件のユースケースが誕生。そのなかから、いくつかの事例をご紹介します。 事例1:ガイドラインの共有を効率化 課題:組織内部からの問い合わせへの対応を効率化したい。ガイドラインを見ればわかる内容について聞かれることが多い。 ⇒ガイドラインをAIに読み込ませ、それを参照しながら回答するチャットを作成。元のドキュメント内のどこを引用したのかも表示される。 事例2:仕様書を明文化 課題:広報業務で使う仕様書のルールが言語化できていない。 ⇒過去に作成した仕様書を読み込ませ、それを元にGoogle検索もしながらルールを作成。そのあと、作成した内容をAIでブラッシュアップ。 事例3:Slackへの心理的ハードルを下げる 課題:全国の自治体職員向けに運用しているSlackで、Slackに不慣れな人の心理的抵抗を減らしたい。 ⇒入力したテーマに対して、絵文字を交えてフランクに回答するAIを作成。 事例4:SNS運用のリスク最小化&効率化 課題:SNSの多言語運用を、リスクを抑えながら効率化したい。 ⇒プレスリリースから重要な情報を抽出。Xで投稿するためのポイントを押さえながら、それぞれの文化的な背景や注意事項も考慮した各言語の投稿文を生成。翻訳の精度や炎上リスクのチェックも実施。 事例5:ウェブサイトを効率よく改善 課題:デジタル庁のウェブサイトの改善を効率化したい。 ⇒アンケートで集まった数千件のコメントを読み込ませて分析し、全体の傾向を把握。さらに、具体的にどのページの改善が必要かといった質問にも回答できるシステムを作成。