乳児うつぶせで窒息死か 田辺の認可外保育施設で預かり中、和歌山県が検証へ
和歌山県田辺市下万呂の認可外保育施設「託児所めぐみ」(休園)で昨年7月、生後5カ月の女児が意識不明となり、市内の病院に救急搬送後、死亡していたことが分かった。寝返りでうつぶせになったときに窒息した可能性があるが、保育士の数が国の基準を満たしていなかったとみられ、県は5日、検証委員会を設置。原因究明や再発防止などについて検証していく。 【児童数、39年連続最少 和歌山県内 中、高校生も減少続くの記事はこちら】 死亡したのは大阪府泉大津市の女児で、当日田辺市を訪れていた際に預けられた。 検証委員は弁護士、小児科医、保育関係団体関係者、有識者ら5人。議論した上で、報告書にまとめる。 国基準では複数の乳幼児をみる場合、保育者が2人以上を必要としているが、施設では当時、1人が乳幼児4人をみていたといい、県の聞き取りに施設の代表は「5分おきのチェックはしていたが事故が起こった。保育士は2人いるが、その日は1人が休みのため、1人で対応していた」と話したという。 認可外保育施設は、児童福祉法に基づく認可を受けていない保育施設。和歌山県内の認可外保育施設は2023年10月現在50件。指導監督などの権限は県が市町村に委ねている。 田辺市は毎年、「託児所めぐみ」の立ち入り調査を実施。職員の配置状況や保育室の設備、睡眠中の乳幼児の呼吸のチェックなど、保育にふさわしい内容や環境を確保しているかを確認していた。23年1月にも調査をしたが、その際は特に指摘すべき事項はなかったという。
紀伊民報