国スポ・柔道成年男子で初優勝を飾り、ガッツポーズするウルフ・アロン（中央）ら佐賀県チーム＝13日、佐賀市（撮影・山崎清文）

　国民スポーツ大会（国スポ）は13日、佐賀市のSAGAアリーナなどで第9日の競技が行われ、柔道の成年男子は佐賀が決勝で茨城を1―0で下して初優勝を決めた。 ■「AI画像かと」阿部一二三の驚愕肉体美【写真】 　2021年東京五輪男子100キロ級金メダルのウルフ・アロン（パーク24）を副将に据えた佐賀が初の頂点に立った。茨城との決勝では先鋒（せんぽう）から中堅まで引き分けた後、副将のウルフが豪快な足技で一本勝ち。大将も相手にポイントを許さず、昨年の準決勝で敗れた相手に雪辱した。地元の大声援に応えたウルフは「チーム一丸で優勝できてうれしいし、本当に楽しい一日だった」と笑った。 　東京都出身のウルフは大会開催地の佐賀県からオファーを受けて出場を決意。大将の松雪直斗（福岡県警）が東海大の先輩、先鋒（せんぽう）の近藤隼斗がパーク24の同僚という縁もあり、練習や試合でも「すごく仲のいいチームだった」と振り返った。 　千葉・東海大浦安高の2年だった2012年には、岐阜県で行われた国民体育大会（国体）の柔道少年男子に千葉県勢の一員として出場して優勝を飾っている。チームは違うが、12年ぶりの優勝を「懐かしい気持ちもあるし、大人になった今は新しい気持ちもある」とかみしめるように語った。 　試合中も試合後も、会場のあちこちから「ウルフ、ウルフ」のコールが飛んだ。来年6月の現役引退を表明している28歳は「（2019年の）全日本選手権を優勝した時よりすごかった。観客の皆さんに背中を押してもらったのが一番大きかったと思う。これからも佐賀で活動していきたい」と〝ホーム〟の応援に感謝した。（山崎清文）