群馬から世界へ! ニッチトップになろう、突き抜けようと思っています【株式会社ジャオス 代表取締役 赤星大二郎氏:TOP interview】
公私関係なく、常に四駆がある人生
──仕事とプライベートが完全にリンクしているクルマ選びであるが、実際にJAOSの社員は赤星氏だけでなく、ほぼ全員が四駆乗り。四駆を愛してやまない人たちばかりだ。 「その次の愛車が2ドアのジープ TJラングラーです。TJラングラーでは、オフロードやスキー、山へ行くなどして楽しんでいましたが、結婚して、子どもができると2ドアの幌ではちょっと……ということになり、ランクル70に乗り換えました。ちょうど2000年の本社機能も群馬に統一した後のことです。今でこそランクルは人気が再燃しましたが、4枚ドアでオフロードがきちんと走れて、質実剛健な姿で当時からマニアックなクルマでした」 ──家族が増えたからといってミニバンを選ばないところに、赤星氏の心意気が感じられるエピソードだ。 「家族はいま子どもが4人います。そこでランクル70のトゥルーピーという、オーストラリア仕様の2ドアのロングボディでハイルーフが特徴的なモデルに乗っています。オーストラリアで走ってる姿を見て『かっこいいなぁ』と。これなら家族でキャンプにも行け、スキーにも行くことができます。 1台目のトゥルーピーは、4LのガソリンV6エンジンで、ベンチシートでしたが子どもが小さかった頃はまだ座ることができ、シートベルトももちろん装備してあるので前3人、後ろ3人、6人乗車が可能でした。 いろんなご縁があって、今は2台目のトゥルーピーに乗っています。エンジンは4.5LのV8ターボディーゼルを搭載し、ダウンサイジングが進んでいるご時世、もう今しか乗ることができないと思い乗り換えました」
スキーのために単身カナダへ
さて、大学を卒業後に日本を離れ、スキーのために単身カナダに渡った赤星氏であるが、運命は期せずしてJAOSへと繋がっていくことになる。 「カナダのウィスラーというスキー場で働いていましたが、1996年にラスベガスで毎年行われている北米最大の自動車部品見本市であるSEMAショーにJAOSとして初出展、これは日本の4WDアフターパーツメーカーとしても初めて米国SEMAショーへの出展だったのです。そのときにカナダに住んでいた私に手伝ってくれないかと打診があり、当時社内には英語ができる人材が少なかったこともあって、出展の手続きや現地コーディネーターとして手伝うことになったという経緯があります。その後、1997年以降も継続してSEMAショーに出展することになり、1997年から正式に海外事業部としてJAOSに入社したという次第です」 ──赤星氏が1997年にJAOSに入社してからは、2000年に東京の本社機能を群馬工場と統合。折しも日産にゴーン氏がやってきて村山工場を閉鎖するなどのコストカッターぶりを発揮していた頃。JAOSも効率化できることはないかと模索していたという。 「2002年にモデリスタさんからランドクルーザープラドやハイラックスサーフ、RAV4、ランクル70といったSUV系のカスタマイズに関する相談を持ちかけられました。この時にモデリスタさんとお仕事ができたことは、われわれにとっても多くのメリット……たとえばモノづくりに対するアプローチの方法であったり、製品精度の高さ、デザインに関してなど、気づきも多かったのです。いろいろな意味で現在のJAOSがあるのは、この時の経験によるところが大きく、現在も良い関係が続いています。 ほかにも今年のオートサロンで発表したレクサスGXもそうです。新型のGX550は、2024年中に出るということだけアナウンスされていて発売もまだ先ですが、『OVERTRAIL』というキーワードでカスタマイズさせていただきました。 レクサスさんとの関係は、さかのぼると2022年のLXのフルモデルチェンジの頃からです。ここで『OFFROAD』というグレードが加わるのですが、『JAOSでカスタマイズについて提案してもらえないか』とお話をいただきました。レクサスのLXで何ができるだろうと考えたとき、最高峰のクルマに見合うことを考慮して、レースで使うようなインフュージョン成形のウェットカーボンを使った製品や、普段のアフターパーツではできないようなことにチャレンジしました。 新型GXでは、この『OFFROAD』というグレードが『OVERTRAIL』へと進化したのです。もともとオフロード性能の高い車両のポテンシャルをさらに引き上げた、ある意味ではトヨタでいうGRのオフロードバージョン的なポジションとして企画されたそうです。レクサスというと、どうしてもラグジュアリーなイメージが先行しがちですが、実際には堅牢でオフロード性能も極めて高い。そこで、その本来のタフな資質をわかりやすく体現しているのが『OVERTRAIL』という新たなグレードです」
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