「イッペイの騒動にも動じなかった」 “米国で最も大谷を取材している記者”が明かす偉業の裏側 「こんな選手は彼だけ」
「こんな選手は彼だけ」
【前後編の前編/後編を読む】「盗塁は減る」「投手復帰の時期は…」 大谷翔平の二刀流について“米国で最も大谷を取材した記者”が明かす 【写真を見る】「奇跡の一枚!」 大谷とハイタッチを交わすデコピン 念願だった「ヒリヒリする9月」を過ごしただけでなく、移籍1年目にしてワールドシリーズを制し、さらには3度目のリーグMVPも手中に収めたドジャースの大谷翔平(30)。“二刀流解禁”が待たれる来季に向け、「米国で最も大谷を取材した記者」が展望を語った。 ***
メジャーリーグのMVPは、全米野球記者協会に属する記者30人の投票によって決められる。現地時間の11月21日、大谷はナ・リーグMVPに満票で選出された。2021、23年はア・リーグで受賞しており、両リーグでの受賞は58年ぶり2人目。シーズンを通じてDHの選手が選ばれるのは、長いメジャーの歴史でも初めてのことである。 「彼は間違いなく非凡な選手です。MVPの最多受賞者はバリー・ボンズの7度ですが、オオタニは今回も含めてこれまで3度、すべて満票で手にしている。こんな選手は彼だけです」 そう話すのは、エンゼルスの担当記者として大谷をメジャー1年目から取材してきた、アナハイムの地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」のジェフ・フレッチャー氏(55)である。『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)の著書もある同氏は“米国で最も大谷を取材している記者”として知られている。
「オオタニが最も好調だったシーズンは……」
メジャー初となる50本塁打50盗塁の達成にとどまらず、今季の大谷は54-59という未知の領域に達しており、 「特に注目すべきは盗塁数。昨季に比べて飛躍的に増えたのは、もちろん打者に専念したことが大きい。今回のMVP獲得について、MLBの関係者は誰もが感銘を受けており、成し遂げた偉業には目を見張るしかありません」 としながらも、 「私としては、彼が投打両方で活躍したシーズンのほうが、より心に刻まれています」 そう言い切るのだ。 「オオタニが最も好調だったシーズンは22年だったと思います」 この年は投手で15勝し、34本塁打で95打点をマークしたものの、 「ア・リーグMVPには選ばれなかった。なぜなら、ヤンキースのアーロン・ジャッジがリーグ新記録の62本塁打という異例の成績を叩き出してMVPを取ったからです。ただし満票ではなく、オオタニに2票が入っています」 ちなみに今季のア・リーグでは、ジャッジが満票でMVPに選出されている。