世界3階級制覇王者の問題児デービス、マーティンに8回KO勝ちでプロ30戦全勝(28KO)に
プロボクシングの米興行大手プレミア・ボクシング・チャンピオンズ主催興行が15日(日本時間16日)、米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた。メインイベントのWBA世界ライト級タイトルマッチは王者のジャーボンテイ・デービス(29)=米国=が、同級2位のフランク・マーティン(29)=米国=に8回1分29秒KO勝ち。5度目の防衛に成功した。 序盤はマーティンがヒット&アウェーで好スタートを切ったが、3回からデービスが攻勢を強めた。7回には左アッパーから右フックのコンビネーションをヒット。8回にニュートラルコーナーに追い詰め、左アッパーを効かせてからの左ストレートでマーティンを大の字に。デービスはKO勝利を確信してニュートラルコーナーに駆け上がった。マーティンは10カウント以内に立ち上がることができず、デービスは歓喜のバック宙でコーナーからリングに飛び降りた。 世界3階級制覇王者の問題児、デービスは「全然さびついてなんかいない。ちょっと出遅れたけど、試合が進むにつれて取り戻した。左アッパーが効いた。それで次も決まった。良いパンチだ」とフィニッシュシーンを自画自賛した。 2020年11月にひき逃げ事件を起こし、昨年6月に収監された。6週間以上を刑務所で過ごし、7月に釈放されたが、昨年4月に元WBC世界ライト級暫定王者のライアン・ガルシア(米国)と136ポンド(約61・7キロ)契約12回戦で闘い7回KO勝ちしてからブランクを作った。収監を経験し「前よりいい人になった。良い父親になった」と語った。今後については「まずジムに戻ってさびついたものを取り戻ず。自分のレーダーに引っかかる人と闘うよ」と話した。 昨年7月にWBC世界同級挑戦者決定戦で、アルチョム・ヘルツニヤン(ドイツ)に3-0の12回判定勝ちし、世界初挑戦だったマーティンは「序盤は試合をコントロールできていたが、動きが止まってしまった。そして良いパンチをもらった。下から(左アッパーを)当てられて、その後はもうパンチが見えなかった」とプロ初黒星を喫して肩を落とした。 セミファイナルのWBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦は、WBC世界スーパーミドル級暫定王者のデービッド・ベナビデス(27)=米国=が、前WBC世界ライトヘビー級王者で、現同級2位のオレクサンドル・グウォジク(37)=ウクライナ=に3-0の12回判定勝ち。世界2階級制覇を達成した。