五輪・W杯の「事前合宿」誘致合戦が本格化 荻原健司氏が長野にエール
リオ五輪の閉幕と同時に、平昌(ピョンチャン)冬季五輪、ラグビーW杯、東京五輪に向けた事前合宿の誘致合戦が始まりました。世界大会レベルの選手の合宿誘致はスポーツを通じた地域活性化への期待が大きく、全国各地で受け入れ態勢づくりが加速。23日には長野県の官民による「長野県スポーツコミッション」が発足し、地元のスキー金メダリスト荻原健司氏が「長野は誘致合戦にぜひ勝利を」とチャレンジを宣言しました。
平昌五輪・ラグビーW杯・東京五輪に照準
「長野県スポーツコミッション」は、会長に県の吉澤猛・観光部長、副会長に県体協の丸山隆義・専務理事を決め、ラグビー、トライアスロン、スキーの関係者や日本スポーツツーリズム推進機構、長野冬季五輪(1998年)競技施設代表などを顧問に発足。県内51の市町村、4経済団体、3スポーツ団体、6旅行会社など参加72団体から約100人が参加して長野市の県庁で旗揚げしました。 組織は事務局を県庁に置き、関係機関が連携してスポーツ大会の誘致、観光と協調したスポーツツーリズムの振興、地域経済の活性化を図るとし、「ナショナルチームの事前合宿の誘致」も柱の一つとしています。 特にリオ五輪が終わって今後は2018年平昌五輪・パラリンピック、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京五輪・パラリンピックへ関心が移り、開催も迫っていることから、これら大会の事前合宿の誘致に重点的に取り組む方針を決めました。 事務局はこの日の説明で「合宿誘致を成功させるためには、各国のNOC(オリンピック委員会)の視察団の受け入れが重要になる。特に平昌五輪・パラリンピックは迫っている」として、参加団体のネットワークを生かした視察団誘致の取り組みに力を入れます。 事務局によるとこれら大会をめぐる全国各地の誘致団体はこれまでに20数団体を数え、リオ五輪閉幕を機にさらに団体が増えて誘致合戦に拍車がかかると見ています。
荻原氏「選手はただ豪華な施設を求めていない」
この日長野県スポーツコミッションの顧問に就任した荻原健司氏(北野建設スキー部ゼネラル・マネージャー、長野県教育委員)は、競技関係者の立場からスポーツ合宿の誘致について講演し「合宿の誘致合戦の火ぶたが切って落とされた。うかうかしてはいられない」と強調。 まず事前合宿を迎える条件整備として「財源、経済波及効果の位置づけ、施設などが国際基準に達しているか、最新スペックであるのか、これまでの実績は? 地元に人的資源はあるか、人脈はあるかといったことが準備のための課題です」と指摘しました。