五輪・W杯の「事前合宿」誘致合戦が本格化 荻原健司氏が長野にエール
競技者の側からの関心事として、 (1)施設が優先的に利用できるか。順番待ちになるようでは困る。 (2)競技団体の多くは裕福ではない。利用料はリーズナブルだろうか。 (3)宿泊先と練習場所は近いだろうか。遠いために選手が車を運転するようなことはまずい。事故などがあれば難しい責任問題になる。 (4)地元にスポーツ大会や合宿の実績はあるだろうか。 (5)地域の皆さんの理解があるだろうか。 などを挙げ、「中途半端は駄目です。かといって選手はただ豪華な施設は求めていない。受け入れ側はあるものを充実させてどこにも負けないという意気込みを。リオ五輪でも工事現場みたいな競技場があったが、それでもよかったではないかという評価もあった」、「練習内容によってはスキー選手が必ずしも山岳部を選ぶとは限らず、トレーニングの目的によってどの地を選ぶかが決まることも理解してほしい」と、選手の側に立った対応が大切だと述べました。 また、各国NOCの視察は、ただ「来てほしい」だけではなかなか来てくれない。「そこで競技団体のキーマン、その多くはヘッドコーチですが、地元の望むテーマで彼に講演に来てもらう。講演という目的がはっきりしていれば仕事として来てくれるはずです。その機会に地域の施設などをよく見てもらい、視察のきっかけにするのです」と、秘策を紹介していました。 ※荻原健司(おぎわら・けんじ) スキー・ノルディック複合元選手、指導者。アルベールビル(92年)、リレハンメル(94年)冬季五輪で団体金メダル。93~95年ワールドカップ個人総合1位3連覇。群馬県出身、長野市在住。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説