現存する最古の書物、古事記を所蔵!? 名古屋のルーツ、大須観音でランパンプスが合格祈願!
寺内:ありがたいですね。「観・世・音」。世の中の音を観るってことですね。御本尊は拝見できるんですか? 岡部:弘法大師様が彫られた観音さんは本堂にはいらっしゃるんですけど、扉の中にいらっしゃって、普段はお姿を見ていただけないんです。ですが、本当の御本尊様の前に、同じ観音様が立っていて、お姿を見られるようになっています。御開帳されるのは50年に1回なので、なかなか姿を見ていただけないですね。 小林:50年に1回! 寺内:ご覧になったことはあるんですか? 岡部:前回の、50年に1回の時はすごく幼かったので、あまり覚えはないんですけど、先日、岐阜から今の場所に遷ってきて400年の年に法要を大きくやったんです。その際に1週間だけ御開帳して皆さんに見ていただけるようにさせてもらったので、その時に見せていただきました。 寺内:それは50年周期とは別で特別に? 岡部:そうですね。次の御開帳は2030年になります。 寺内:SDGsのゴールの年だ。 小林:関係ないですね(笑)。国宝があるとお聞きしたのですがどういったものがあるのですか? 岡部:「真福寺文庫」や「大須文庫」という名前が付いているんですけども、能信さんは勉強熱心な方で、お弟子さんもたくさんいらっしゃったので、いろんなところに派遣して、お経などを写して持って帰らせていたんです。そういったものが今も残っており、国宝は4点ございます。 小林:え? これマジっすか? 古事記があるんですか?
岡部:社会の教科書に載ってる古事記の写真はこちらのものになります。 寺内:ええー!!
岡部:古文書は基本的に原本が残ってないんです。ですので、今世界で現存している一番古い写しがこちらの国宝になります。 寺内:えー! すごすぎる! よくコーヒーとかこぼさなかったっすよね(笑)。 小林:コーヒー飲みながら古事記読まねえから!
岡部:今も1万5千点ぐらいの古文書が残っています。 寺内:言ってしまえば全部国宝級ですよね? 岡部:調べればまだ出てくるだろうと思います。大学の教授さんにずっと研究はしていただいてます。 小林:多大なる功績ですね。日本が「世界一古い国」だって言えるのって、こういうものがないと言えないですもんね。 岡部:残っていたのがすごいことなんですよ。元々は中州にあって、洪水もよく起こったので、その中で当時の住職さんたちが守ってきたんです。しかも、遷ってきたこの場所も戦争でお寺が全部焼けており、たまたま、蔵が焼け残ったので今でも残ってるんです。 小林:その国宝はどうやったら見れるんですか? 岡部:基本的にお出ししてないです。ただ、所蔵は大須観音ですが、保管が難しいので、市の博物館に預けてあります。先ほどお話した400年の法要の時には博物館で大須観音展をやっていたので、そういう時に見ることができます。 小林:エグいパワーを持ってそうだよね。 寺内:守り抜いてきた国宝だもんね。この鬼面っていうのもすごいですね。 岡部:そちらも能信さんが、伊勢神宮に篭っていた時に「鬼面がお寺の守り神になるので大切にするように」ということで、今でも残ってるんです。鬼面は節分のときに御本尊の前に出してご祈祷しております。大須観音の豆まきは大きく開催するんですけど、鬼を外に出せないので「鬼は外」は禁句なんです。 寺内:じゃあなんて言うんですか? 岡部:「福は内」だけなんです。 寺内:「鬼は外」を言わないんだ! 守り神の鬼面がありますもんね。 小林:なんか「呪術廻戦」とかで出てきそうな逸話だね。