現存する最古の書物、古事記を所蔵!? 名古屋のルーツ、大須観音でランパンプスが合格祈願!
岡部:当時はそうだったようですね。 小林:それはいつ頃のことなんですか? 岡部:1612年です。 寺内:じゃあ江戸が出来立ての頃だ。 岡部:江戸ができて、名古屋城、名古屋の町を作るとなった時に、他の町からお寺をいっぱい持ってきたので、この辺りは寺町だったんです。 小林:面白い! いつも、創建の歴史を聞くと「何々という和尚さんがこうやって作って」とかっていうのを聞くんですけど、物理的な理由なのが新鮮ですね。愛知の県民性みたいのを感じますね。いろんなものを混ぜるのが上手なイメージあります。 岡部:確かに西と東が混ざった文化がありますね。
小林:観音様にはどういったご利益があるんですか? 岡部:創建の話になるんですけれども、能信上人という方が、お寺を作るにあたって、どなたを仏様にしようかということで100日間、伊勢神宮に篭られて、修行されたのですが、ある時、霊夢といって、夢の中で仏様の姿が出てきたのです。能信さんは、当時、天皇の庇護を受けていた方だったので、そのことを朝廷にお伝えして、全国を探したら、大阪の四天王寺にいらっしゃる観音様と瓜二つだったということがわかりました。それを譲り受けたんです。その観音様は、真言宗の宗祖である弘法大師空海様が掘られたものでした。 寺内:霊夢を信じてもらえたってことですか?
岡部:それだけの力がある方だったんでしょうね。 寺内:それを信じてもらえるぐらい説得力がある人だったと! 小林:先ほど「元々神社で今はお寺」みたいな話だったと思うのですが、神社がお寺になるなんてことがあるんですか? 岡部:昔は神仏習合で神社とお寺が近かったこともありますし、北野天満宮が建てられたところに「別当寺院(べっとうじいん)」と言って、神社を守るためのお寺ができたところから始まっているんです。 小林:神道と近しいところにあるお寺なんですね。 岡部:当時は、神社のそばにお寺を作ることはよくある話だったみたいですね。御利益に関しては、観音様は「これ」というお願い事はない方なんです。正式名称は「観世音菩薩」と言って、それを縮めて「観音さん」って言うんですけども、意味合いとしては「世の中の困っている人の声を、まるで目で見るかのように聞いてくださって、救ってくださる仏様」が観音様と言われています。なので、本当に困った人に手を差し伸べて、いろんな悩み事、困ったことを救ってくださる仏様なのです。