拒否反応で首が震えた――「元天才子役」美山加恋、芝居への“怖さ”乗り越えた今
もうすぐ芸能生活20周年。幼少期に適性あるものに出合った幸運にあぐらをかくことなく、自分が目指す俳優像を追い求める。美山にとって、続けるモチベーションとは何なのか。 「この仕事で一番つらいのは、『見てもらえないこと』なんですよね。だからファンの人たちとか、家族でも友達でもいいんですけど、見てくれる人がいることが希望。ブログやSNSに感想や応援のメッセージをもらうと、よし、頑張るぞ、っていう気持ちになります」
ピーターパンでウェンディ
ミュージカル『ピーターパン』は今年で日本上演40周年を迎える。ウェンディ役を務める美山も、目下稽古の真っ最中だ。これまで多くの俳優が演じてきた役柄に挑戦することにプレッシャーはないか、ネットでのコメントが怖くなることはないかと尋ねると、笑顔で首を振った。 「ないですね。たくさんの先輩たちが演じてきたからこそ、それぞれの解釈で演じればいいんだなと思えるので。逆に同じ俳優がずっと続けてきた役を演じるのは、プレッシャーだと思いますけど。私はこれまで幸せなことに、お芝居に関しては、ネガティブなことを言われたことはないんですよ。太ったとか、かわいくなくなったとか、そういうコメントはありますけど、そういうのは気にしません」
自らの矜持(きょうじ)は、あくまでも芝居そのものにある。 挑戦し、失敗したら反省をして、試行錯誤を繰り返す。大人になった俳優・美山加恋の、その磨きをかけた演技に、私たちは今再び魅了されるのだ。 美山加恋(みやま・かれん) 俳優・声優。1996年、東京都出身。2002年、舞台でデビュー。2004年、草なぎ剛主演の『僕と彼女と彼女の生きる道』で小柳凛役を演じ、一躍天才子役として注目を集める。その後も数々のテレビドラマ、映画、舞台に出演。2016年からは声優にも挑戦し、2017年『キラキラ☆プリキュアアラモード』でテレビアニメ初主演。今年12月公開のアニメ映画『フラ・フラダンス』にも出演している。7月・8月に公演されるブロードウェイミュージカル『ピーターパン』ではウェンディ役を務める。