オノ・ヨーコの名言「ひとりでみる夢は…」【本と名言365】
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。前衛芸術家であり音楽家、平和活動家として、愛と平和のメッセージを伝え続けるオノ・ヨーコ。彼女が伝える、より良い世界を実現するために必要なこととは。 【フォトギャラリーを見る】 ひとりでみる夢は、ただの夢。一緒にみる夢は現実となります。 1960年代の活動初期から強いコンセプトを持ち、前衛芸術家として活動してきたオノ・ヨーコ。ジョン・レノンと出会ってからは、互いに影響を与えながら、愛と平和のメッセージを広く発信してきた。中でも、ジョンとの共同作品「Bed – In for Peace」は反戦運動に多大な影響を与えた最も有名なパフォーマンスアートだ。 1980年、突然ジョン・レノンを失ったオノ・ヨーコは大きな悲しみに打ちひしがれる。だが、彼女は夫と共に行っていた平和運動をやめなかった。人権や環境など社会のさまざまな問題に対して声を上げ続ける中で、孤独感や絶望感、無力感に襲われそうになることもある。だが、芸術や音楽を効果的に活用して、戦争や暴力に断固として反対し、人々に平和を訴えてきた。その中で、オノ・ヨーコは夢を見る大事さを伝えている。 彼女は夢をテーマにした作品を多く発表している。《With Tree》プロジェクトは、観客が願い事を書いた紙を木に結びつけることで、個々の夢や希望が共有される場を提供するプロジェクトだ。オノ・ヨーコは「ひとりでみる夢は、ただの夢。一緒にみる夢は現実となります」と言う。夢を描くことで個人の内面から始まる変革と、そのビジョンを多くの人と共有することで、平和な世界を実現できるという信念が込められている。
オノ・ヨーコ
1933年東京生まれ。前衛芸術家、音楽家。1960年代からニューヨークを拠点に精力的にアーティスト活動を行う。ロンドンに移住後、ジョン・レノンと出会い、共に前衛的な音楽活動やパフォーマンスを行うようになる。ジョン亡きあとも「愛と平和」のメッセージを発信し続ける。2009年、ヴェネツィア・ビエンナーレで日本で初めての金を受賞した。
photo_Yuki Sonoyama text_Mariko Uramoto illustration_Yoshifum...