カープ選手に長年愛されてきた弁当店、閉店したけど100枚あったサイン色紙はどこへ? 広島市南区、マツダスタジアム近く
マツダスタジアム近くの広島市南区西蟹屋で、会社役員の男性(48)が口にした。「あのサインはどこへ行ったんだろう」。球場そばの弁当店に所狭しと並んでいた広島東洋カープの選手のサイン色紙だ。選手に長年愛されてきたが、2年前に立ち退きで閉店した。その後の行方が知りたいという。 【写真】鈴木誠也選手や松山竜平選手、閉店した弁当店から譲られたカープ選手のサイン色紙(計4枚) 寄せられた情報によると、球場はす向かいの自動車販売店「スズキ広島中央」にあるという。早速行って、道路からガラス張りの建物をのぞいたが見当たらない。 店内を奥に進むと、壁際に16枚あった。メジャーリーガーになった鈴木誠也選手、大瀬良大地選手、松山竜平選手…。高木敏臣店長(51)が「ぜひ店舗に飾りたいと、約100枚のうち一部を譲ってもらったんです」と説明してくれた。 なぜ外から見えるところに置かないのか。当初は外に向けて飾り、ファンがよく写真を撮っていたそうだ。しかし日差しで色あせるようになり、泣く泣く店の奥へ避難させたのだという。 「本当は多くの人に見てもらいたいんです」と高木店長。初めて来店した人との間ではほぼ話題になる。そのたびに、なぜここにあるのかを伝えているという。「しばらくはこのままだけど、お弁当屋さんと選手の温かい絆の記憶を大切に引き継いでいきたい」と誓う。
中国新聞社