CLの“プレミアvsセリエ”、イタリア勢も互角に戦えることを示した「インテル、アタランタにとって内容と結果は大きな自信になるはずだ」【現地発コラム】
ミスの少ない高度な攻防が続くCLらしいハイレベルな一戦だった
18日のシティ対インテルは、2年前のCL決勝と同様に90分を通して拮抗した好試合だった。ボールと主導権を握って攻勢に立つシティに対し、5ー3ー2のコンパクトなローブロックで受け止めるインテルが、自陣でのボール奪取から再三再四、カウンターアタックでシティゴールに迫るという流れ。しかし、シティ守備陣の的確な対応もあり、シュートにいく前の段階でプレー選択をミスしてチャンスを無駄にする場面を繰り返した。 試合の大半を敵陣で進めたシティも終盤、得意のコンビネーションからイルカイ・ギュンドアンが3度の決定機を得たがいずれも決め切れず、0ー0のままタイムアップ。ともに長期政権下にあり熟成段階に入っているチーム同士ということもあり、ミスの少ない高度な攻防が続くCLらしいハイレベルな一戦だった。 19日のアタランタ対アーセナルは、3年越しの大改築が終了して、陸上トラック付きの老朽スタジアムから最新鋭の「専スタ」に変身したベルガモのゲヴィス・スタジアムが舞台。昨シーズンのELでリバプール、レバークーゼンを下して王者に輝いたアタランタは、昨今では珍しいマンツーマンディフェンスに基盤を置く、欧州サッカーの中でも特異な個性を持つチームだ。 シティやバルセロナに通じるポジショナルプレー志向のモダンなスタイルを持つアーセナルに対し、マンツーマンのハイプレスを仕掛けて後方からのビルドアップを封じ込め、強力な武器であるブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルチネッリにもタイトなマークでほとんど仕事をさせないなど、ほぼ完全に「牙を抜く」ことに成功していた。 アタランタは後半に入ってPKを得るも、GKダビド・ラヤのスーパーセーブに阻まれ、勝機を逸した格好だ。アーセナルは司令塔マーティン・ウーデゴーを故障で欠いたこともあり、アタランタのマンツーマン守備を打開する術を見出すことができず、終盤にマルチネッリが唯一のビッグチャンス(シュートは枠を捉えず)を得るにとどまった。 3試合をトータルで見れば、格上のイングランド勢、とりわけプレミアリーグで首位を争うシティ、アーセナルという強豪に対し、イタリア勢も互角に戦えることを示した格好。インテル、アタランタにとってこの内容と結果は大きな自信になるはずだ。 まだ1節だけの消化なので順位表を云々することにはほとんど意味がないが、2節、3節と進んでいくなかで、全体の勢力地図が徐々に明らかになり、これまでのCLとはまた違った景色が見えてくるはずだ。 次の第2節は10月2日~3日に開催予定。ここでもレバークーゼン対ミラン、アーセナル対パリSG、RBライプツィヒ対ユベントスといったビッグマッチが組まれている。個人的には、イングランド対イタリアの第4幕となるリバプール対ボローニャ、初戦に古橋亨梧らのゴールで5ー1と大勝したセルティックが強豪ドルトムントとぶつかる一戦を注目したい。 文●片野道郎
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