とてつもなく痛いスコアレスドロー町田、札幌のペトロビッチ監督に皮肉られれる「サッカーは見る人の好みによるが、人気があるのはマンチェスターシティーだ」
◇コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」 ◇21日 J1第31節 町田0―0(Gスタ) 首位に返り咲いた町田にとって、とてつもなく痛いスコアレスドローとなった。19位の札幌をホームに迎えた一戦。次節、2位・広島とのアウェーでの直接対決を控えているだけに、確実に勝ち点3を手にしておきたいところ。しかし最後まで札幌のゴールを割ることができなかった。 ◆ハンド!?…町田、終了間際に微妙な判定【動画】 町田の黒田監督は「今日の試合は首位を走るためには絶対に勝ちたい、勝ち点3のほしいゲーム。選手たちもそういう風にとらえて入ったことは間違いない。しかし、なかなか1点が遠かった」と振り返った。 ここ8試合で2勝2敗4分け。4試合が無得点に終わっている。中盤戦まではロングボール主体の攻撃で勝ち点を積み上げてきたが、ここにきてその攻撃力に陰りが出てきた。この日もロングボールで押し込み、ロングスローとCKで札幌ゴールを脅かしたが、崩しきれない。2度目の対戦となれば、相手も徹底的に研究し、対策を講じてくる。この日の札幌はカウンターを警戒しながら3バックで慎重にボールを回し、悪い形でボールを失わないように中盤の選手につなぎ、チャンスをうかがった。 ロングボールに対してはDFラインに5人が並び、4人の中盤がセカンドボールに対応した。ロングスローに対しても複数の選手が競り合い、はじき返した。後半追加時間、最後のCKはゴールポストに救われるという幸運にも恵まれ、無失点に抑えた。 次節の町田の相手、広島は札幌以上にパスをつなぎ、スピーディーなパスワークで仕掛けてくる。ペトロビッチ監督も2006年途中から2011年まで広島の監督を務めており、札幌の戦い方は広島に近い。 ぺトロビッチ監督は「町田は特殊なサッカーをするチーム。個人的な好みとしては、ロングスローをペナルティーエリアに入れてはいけない、セットプレーはペナルティーエリアに放り込んではいけないというルールができたらいいなと思うようなタイプ。そういうルールがあったら、よりボールをつながなければならないサッカーに変わっていく。もちろんサッカーは見る人の好みによるが、人気があるのはマンチェスターシティーだ」と独特の表現で町田のサッカーを皮肉った。 前半戦、町田は広島とホームで戦い、1点を返したものの広島の速いパスワークに翻弄(ほんろう)され、1―2のスコア以上に圧倒された。そしてこの日、タイプ的には広島に近い札幌にも苦戦している。 「次の広島戦、首位攻防戦になりますが、このリーグの一番大きいゲームになってくると思うので、しっかりといい準備をして、気持ちをひとつにまとめてですね、広島に乗り込みたいと思っています」と黒田監督。優勝の行方を占う大一番だ。 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)
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