「キヨシが始めた物語、ついに完結」DeNA優勝の礎築いた中畑清、12年前の秘話「俺があの時監督に固執したワケ」
26年ぶりの日本一を成し遂げた横浜DeNAベイスターズ。その下剋上ぶりに世間が沸いた中、ファンの涙を誘ったのが、DeNA初代監督・中畑清の姿だった。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… DeNAが優勝を決めた第6戦、始球式に登場した中畑は、その後、生中継の解説へ。優勝が迫ると解説の声を詰まらせる様子に、ファンからも「中畑さん号泣してる!」「こっちまで心に来る」と感動の声が挙がった。中には「キヨシが始めた物語だろ!」と有名な漫画作品のセリフになぞらえて、こうネットに書き込む人も。 12年前、『週刊現代』のインタビューに答えていた中畑。あの時、4年連続最下位というどん底にいたベイスターズ。新戦力の補強も十分ではなく、普通なら監督して率いることに誰もがためらいを感じるはず。だが、この男は即断即決即行動。この球団を、プロ野球界を、本気で変えようとしてた――。 それはまさしく、2024年の「予言」だったはず。
「俺のよさってやっぱり明るさ。元気だよ」
「監督っていろいろなタイプがいるけど、『こういう監督は中畑じゃないとなれないよな』と言われるようなオリジナリティを出したい。そうじゃないとやっていてもつまらないよ。俺にしかできない監督像がきっとあるはずなんだ」 新球団横浜DeNAベイスターズの中畑清監督(当時58歳)にとって、プロ野球でタクトをふるうことは長年、思い描いてきた「夢」だった。 後述する唯一のケースを除けば、巨人で打撃コーチを務めた1994年以来、真剣勝負の世界からずっと遠ざかっていた。膨らみ続けた思いは言葉となって、堰を切ったように溢れ出た。'11年12月9日の監督就任会見以降、連日中畑流の派手なパフォーマンスで、テレビやスポーツ紙を賑わせる日々が続く。 「俺のよさってやっぱり明るさ。元気だよ。監督に就任した日からそれは意識しているんだ。はしゃぎすぎじゃないかと思われるかもしれないけど、他の監督は絶対にここまでやらないし、やろうと思っても絶対にできない。それくらいの自負を持っている。ここのところ、野球界が低迷しているような雰囲気をずっと感じてきたし、1つのチームだけでなく、球界全体が盛り上がらないといけない。 マスコミがここまで毎日のように取り上げてくれるとは考えていなかったけど、DeNAだけでなく球界全体がこういう《空気》を待っていた証だと思う。俺もこの空気こそがプロ野球の原点だと、あのときに気づいた」」
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