米国のインフレ退治、最後の1マイルで難航か-10月はせいぜい横ばい
(ブルームバーグ): 米国の10月のインフレ率は恐らくせいぜい横ばいで推移し、米連邦準備制度理事会(FRB)の目標達成に向けた物価上昇圧力緩和の道筋は一本調子ではないことが浮き彫りになりそうだ。
13日に発表される10月の米消費者物価指数(CPI)で、食品とエネルギーを除くコア指数は、月次、年次ともに9月と同ペースで上昇した可能性が高い。
総合指数は4カ月連続で前月比0.2%上昇となり、前年同月比では3月以来の上昇加速が見込まれている。
ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、サラ・ハウス、オーブリー・ウースナー両氏はリポートで「10月のCPIは、インフレ率が目標に戻るまでの最後の1マイルが最も困難だという考えを裏付けるだろう。変動の大きいエネルギーと食品を除くと、(新型コロナウイルスの)パンデミック時代の物価のゆがみ解消は遅々として進まない」と指摘。
ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」の後に自動車や自動車部品への需要が高まったこともありコアCPIは10月も上昇した公算が大きく、ハリケーンによる避難命令でホテルに宿泊する人が増えたためサービス価格インフレは「遅々とした鈍化」が続いただろうと分析した。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7日の利下げ後「起伏はあるもののインフレ鈍化は続いており、その道筋は非常に一貫している」とし、1回や2回の望ましくないデータがパターンを変化させることはないと述べた。
今週は生産者物価指数(PPI)も発表される。9月は前月比横ばいだったが、10月は再び上昇が見込まれる。
米PPI、9月は前月比横ばい-ガソリン価格が下落
インフレ率を上回る収益成長が続いていることから、15日に発表される小売売上高もまずまずの伸びとなりそうだ。
12日には、ウォラーFRB理事が銀行の会議で講演。最新の上級融資担当者調査結果も発表される。パウエル議長、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、ダラス連銀のローガン総裁の講演も週内に予定されている。