管理不完全空き家ってどんなもの? 空き家の税金が上がるって本当?
ご自身は自宅を所有しており、親の家に住むきょうだいや親戚がいない場合、将来的にその親の家が空き家になってしまう可能性があります。空き家になると何が問題なのか、税務の面を中心に見ていきます。
空き家とは
法律において空き家とは、 「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く」(空家等対策の推進に関する特別措置法2条1項) と定められています。つまり、人が住んでいなく、いつも使っていない家屋で、国や地方自治体が管理していないものは空き家ということになります。 そして、その空き家の所有者は、「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する空家等に関する施策に協力するよう努めなければならない」(同法5条)となっています。 よって、相続等で取得した家屋を何もせずに放置することは、この法律の第5条に違反します。
もし何もせず放置してしまうと……
相続等で取得した不動産が遠方にある場合、時間的にも費用的にも管理(手入れ)することが負担になります。現在は、家屋が立っていれば固定資産税の減額措置を受けることができるので、そのままにしてしまうケースが多くみられますが、実際には、特定空家等に指定されると固定資産税の減額が受けることができなくなります。 「特定空家等」とは、そのまま放置することによって倒壊などを引き起こす可能性があり、保安上非常に危険となる恐れがある状態の空き家のことを指します。 これ加えて、衛生上有害な状態とならないよう適切に管理を行うことも義務付けられています。もし、空き家を放置することで著しく景観を損なう状態にしたり、その空き家周辺の生活環境の安全が保たれない状態にしたりするなど、不適切な管理状態にあると認められた場合にも、「特定空家等」に指定されます。